上写真=植木理子が「勝ちきれる力がなかった」と振り返るアジアカップのリベンジを誓う(写真◎スクリーンショット)
「勝たせられるゴールを取りたい」
植木理子がなでしこジャパンで5試合連続得点中である。
最近では6月のヨーロッパ遠征でセルビアとフィンランドから決めて、新エースの筆頭候補に名乗りを挙げた。中でもフィンランド戦では、右からのクロスが流れてきたところで、角度のない場所から胸トラップの直後に右足を振って、ゴールに豪快パワーショットをたたき込んだ。
「狙ったというか、思うがままに打ちました。フォワードらしいゴールだったと思います」
試合後に語ったまさにその言葉通りの一発だった。思い切りの良さこそ、植木の最大の魅力だ。そしてもしかして、「余裕がないこと」も。
「いい意味で、そこまで余裕がないのは変わらないんです。代表に定着するのにやることが山積みであるのはわかっています。いい気持ちで代表活動に入れています」
自分を知り、冷静に見極めて、だから気持ちを引き締めてプレーに没頭する。それが「余裕がないこと」の効果の一つだろう。
もちろんそれは、遠慮ではない。E-1選手権で、ゴールで証明してみせる。
「チームとして優勝は当たり前です。自分自身はチームを勝たせられるゴールを取りたい」
その前に立ちはだかるのは、韓国、チャイニーズ・タイペイ、そして中国だ。今年1月から2月の女子アジアカップでは、韓国とはグループステージ最終戦で戦い、植木のゴールで先制したものの1-1で引き分け、準決勝では中国に植木の2つのゴールで2度も先行しながら、その度に追いつかれてPK戦で敗退させられている。
「チームとしては欧州遠征を2連勝して帰ってくることができて、アジアカップで引き分けた韓国、敗れた中国に早い段階でリベンジする機会を迎えることができて、成長を見せられると思います。まずは優勝を目指しながら、リベンジの意味でも勝っていきたい。個人的には、ゴールを取ることが一番チームに貢献できることなので、変わらずアピールしたいと思っています」
大胆に、繊細に。植木がリベンジマッチの先頭に立つ。