上写真=北川ひかるは「周りの良いところを盗んでワールドカップへ」と青写真を描く(写真◎スクリーンショット)
「左を制する、という気持ちで」
アルビレックス新潟レディースの左サイドバック、北川ひかるが、昨年10月の国内キャンプ以来、なでしこジャパンに帰ってきた。今回は追加招集での参加となったが、あれからおよそ半年が経過し、積み上げてきたものを思いきりぶつける。
「自チームでは守備で構築しているものがあって、チームとしてブロックを組んでどこで奪うか、どうやって奪うかをやってきました。個人的にはそれだけはなく、クロスの精度を高めるためにかなりの回数を上げて取り組んできました」
守備で奪いきる強みを生かすこと、そこから攻め上がってチャンスを作ること。なでしこジャパンに返り咲いた理由はそこにある、と強く自覚する。
「当たり負けしないのが持ち味の一つです。このチームは『奪う』というコンセプトがある中で、自分もどんな形であれ、奪う強みを出していきたいと思っています。自チームでもサイドを割らせない、当たり負けしない、左を制する、という気持ちでやっていて、いままでより体の強さも変わってきています」
筋力アップにも地道に取り組んできた成果を、ピッチの上で実感できている。
「WEリーグでも後期では1回アシストしていますし、それ以外でも前期よりいいクロスが上がるようになってきました。その部分は自信を持ってやっていきたい」
攻守でいまの最高を出す。そこに集中するが、10月にキャンプに臨みながらその後の国際親善試合や女子アジアカップでメンバーに選ばれなかった悔しさも、もちろんある。
「入れなかったのはもちろん悔しいですけれど、足りないことがあるので選ばれていないので、ほかの選手のプレーを見て何が必要か、自分なりに解決しようと過ごしてきました。強みである安定感というところでまずは守備から持っているものを出して、いい攻撃につなげていければと思っています」
女子アジアカップでは、センターバックを本職とする選手が左サイドバックに起用されることも多かった。このポジションでプレーし続けている北川は取り返す思いが強いが、「ネガティブにはとらえていない」から、チャンスでもある。
「足りない部分が多かったので自信もなかったですし、でもようやく土台ができたかなと思っています」
土台ができたなら、あとは跳び上がるだけだ。