上写真=後半開始直後に1-1とされ、厳しい表情を浮かべる熊谷。延長後半終了間際にも失点して追い付かれ、PK戦で屈した(写真◎AFC)
■2022年2月3日 女子アジア杯準決勝(インド・プネー/無観客)
中国女子 2-2(PK4-3)日本女子
得点者:(中)ウー・チャンシュー、ワン・シャンシャン
(日)植木理子2
「PK戦より前に決めたかった」
なでしこジャパンは26分にFW植木理子が先制したものの、後半開始直後の46分に追い付かれた。1-1で迎えた延長前半の103分に、またも植木が決めて勝ち越したものの、勝利目前の119分に再び失点。PK戦は、1人目の熊谷と5人目のDF南萌華がGKに止められた。
キッカーと順番は、池田太監督がそれぞれの選手に確認した上で決めたという。「外してしまってチームに申し訳ないですし、不甲斐ない」と語った熊谷は「チームとしては、どちらかというとPK戦より前に決めたかった」と続けた。その言葉通り、日本はボール支配率やチャンスの数で上回りながらも仕留め切れず、わずかなピンチで失点して、自ら勝機を手放した形になった。
韓国とのグループステージ第3戦でも、開始32秒で先制しながら2点目が遠く、終盤に追い付かれて1-1で引き分けている。この日も中国から2回リードを奪ったが、2回とも追い付かれてPK戦負け。今大会、同じことを3回繰り返した末に敗退となった。
「韓国戦も中国戦も、自分たちがボールを持っていて、得点も取れた。後半の立ち上がりとか、残り時間が少なくなって相手が攻め上がってきたとき、いかに後ろが耐えられるかも今大会の大きな課題」とポイントを挙げた熊谷は、相手のFKからのピンチが2失点目につながったことを踏まえ、セットプレーを与えないことの重要性も指摘した。
さらに「自分たちがどうゲームをコントロールしていくかは、大きな課題になったと思う」とコメント。「たとえば今日、最後に守り切らなきゃいけない、守り切りたい時間帯で、じゃあ、どう戦うのか。具体的にどう戦っていくのか」についての共通認識が足りなかったとし、「誰がキープをして、誰が相手の角(コーナーエリア)に運んで、というところは、もう少し全員の共通認識が必要かなと思う。教訓にしなければいけない」と語っている。
2023年女子ワールドカップの出場権は獲得したものの、「選手としてもチームとしても、成長していかなければ世界では戦えない」と強調。「今大会は不甲斐なさしかない。今日の中国に勝てないようじゃ、世界で勝つのは程遠いと正直、思う」と言ったキャプテンは、世界と比較して「アジアのレベルは本当に高くない」とした上で「このアジアで勝てないことは、自分たちが受け止めなければいけない事実。これから世界で戦うために、いまのままじゃいけないと思う」と最後まで厳しい口調で語った。