10月に誕生した新生なでしこジャパン(日本女子代表)はオランダ遠征に臨んでいるが、アーセナル(イングランド)に所属する岩渕真奈は今回がこのチームへの初参加。東京オリンピックでも活躍したエースが、このチームで次に向かう目標を探す日々だ。

上写真=岩渕真奈は新生チームには今回が初めての合流。短いながら練習と試合でチームを作り上げていく(写真◎スクリーンショット)

「目標はと聞かれても答えは見つかっていないんです」

 海外のクラブに所属する選手たちは10月の日本国内でのキャンプには参加していないので、今回のオランダ遠征が初めての合流となる。岩渕真奈もその一人。足首を痛めてコンディションが万全ではなかったために、11月25日(現地時間)に行われた初戦のアイスランド戦は出場を回避した。

「(アイスランド戦で)チームのトライを見て、ピッチに立ちたいなと思いました。練習に合流してまだまだ学んでいる段階ではあるので、オランダ戦ではチームとしてチャレンジしてトライするところから、チームコンセプトを体現できるようにチャンスがあったら頑張りたい」

 練習も数日だけで試合にも出ていない。だからまだ、このチームについて深く語ることはできていない。

「チームとしてはスタートしたばかりで1試合終わっただけなので、正直、目標はと聞かれても答えは見つかっていないんです。世界一を目指すのは当たり前の話であって、個人としてはこれまでいろいろな経験させてもらってきているので、チームが新しくなっても特に変わることはないんです」

 経験を踏まえてどんな状況にも対応できる力があるからだが、それこそがこのチームに与えることができるものだろう。

「いままでの経験を還元できるように、自分がしっかり個人で世界一を目指すに当たって、このチームでそういう目標がいつか見えていければいいと思っています」

 新チームのメンバーを見渡すと「スピードのある選手、迫力を持ってゴールに向かえる選手が多い」と感じている。でも、だからこそアイスランド戦で見せた仲間の出来が十分でないことも指摘する。

「外からこの前の試合を見ていて、ゴールを奪うというコンセプトの中でもまだまだゴールに向かう迫力や姿勢は足りないと感じたので、自分がピッチに立ったときにはそれを意識しようと思っています」

 それこそが、このチームに必要とされていることだろう。


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