上写真=本日21日、なでしこジャパンが初戦を迎える。写真は岩渕真奈(写真◎JMPA早浪章弘)
いい雰囲気で初戦を迎える
これまでの8番ではなく、10番を背負い、東京五輪に臨むなでしこジャパンのエース、岩渕真奈はカナダとの大会初戦を控えて、今回大会に臨む決意を口にした。「今回は計画とは違う形で開催される東京オリンピックで、スポーツの価値というものが問われていると思っています」。コロナ禍で開催される史上はじめての大会だ。プレーする選手も、行動制限があるということだけではなく、心構えもこれまでとは違うものが要求されているのかもしれない。「小さな女の子や、女子サッカーを応援してくれている人たち、支えてくださっている人たちに全力のプレーを届けるということだけでなくて、今まで以上に背負うもの、意識するものが自分の中にあります」。
大会の開催に際して、賛否があるのは理解している。その中で臨む試合で、何を示すべきか。どんな思いを持ってプレーするべきか。岩渕は自らに問うているのだろう。大会直前の合宿では、こんな言葉も述べていた。
「もちろんWEリーグの開幕とか、今後の女子サッカーという思いはありますけど、本当に、女子サッカーという競技のくくりだけではなく、スポーツの価値が問われる大会なので、そういう意味でも自分たちがこうしてサッカーできていることに感謝しながら、自分たちの立ち位置と言うか、認めてもらうように頑張らなければいけない。色んな要素が今大会にはあると個人的な感じています。本当に選手は一生懸命やるだけだと思います」
目指すのはもちろん勝利であり、輝くメダルだが、それだけに留まらず、スポーツの価値そのものを示したいとなでしこエースは話す。
初戦の相手はカナダ。準備試合となったオーストラリア戦(14日)では選手間の距離が遠くなり、攻めの形をうまく作れなかった反省がある。この数日間でその点を確認、修正し、「良い雰囲気でやれています」とチームとして準備を整えたという。
今夜19時30分。なでしこジャパンは札幌ドームで、スポーツの価値を示す戦いに歩み出す。