サンフレッチェ広島が1日、JリーグYBCルヴァンカップ決勝で柏レイソルを下し、2022年以来の優勝を果たした。3バックの中央でプレーした荒木隼人は攻守両面で勝利に大きく貢献。本人は「タイプじゃない」と話したが、MVPを受賞した。

上写真=見事MVPに輝いた広島の荒木隼人(写真◎高野徹)

■2025年11月1日 ルヴァン杯決勝(観衆:62,466人@国立)
柏 1-3 広島
得点:(柏)細谷真大
   (広)荒木隼人、東俊希、ジャーメイン良

完璧な内容だった前半

 前半の荒木は、ほぼ完璧なプレーぶりだった。マンツーマンの守備が広島の強みだが、マークする垣田に入るクサビのパスをことごとく封じ、空中戦も独壇場。

 そして欲しかった先制点。セットプレーから得意のヘッドでネットを揺らした。25分、敵陣右サイドで得たスローインの場面で中野蹴斗が投げたボールに対して、頭一つ抜け出して、シュートを叩き込んだ。

「1個手前か、2個手前ぐらいでも同じようなボールが入ってきていて、もう1回来たら決められる自信があったんで、それでほんとにいいボールが入ってきて。決められて良かったなと思っています」

 セットプレー時にゴール前のどこに入っていくかは今週の練習で確認していたという。大一番で狙い通りのゴールを奪った。

 荒木のタイトな守りとゴールによって、試合の流れは完全に広島のものになった。その後、東俊希が直接FKを沈め、ジャーメイン良もロングスローの流れから追加点をスコア。前半だけ3−0と大きなリードを奪った。

 後半、垣田に代わった細谷真大にマークを剥がされ、荒木自身が振り切られる形でゴールを許すことになったが、失点はその1点に食い止め、広島は3−1で快勝。今季リーグ戦で2引き分けだった相手を見事に撃破した。

 果たして攻守に働いた荒木は、MVPを受賞した。本人は「うれしい気持ちもあるんですけど、なんかあんまり。そういうタイプじゃないんで、ちょっと驚きの方が強かった(笑)。(キャプテンの佐々木)翔くんでいいと思ったんですけど」と謙遜したが、文句無しのプレーぶりだった。

 この試合に限らず、今季の荒木は守備の中心として八面六臂の活躍を見せている。センターバックとしてはJリーグで群を抜いた存在との印象も強い。今年2月のゼロックス杯から始まって、J1第18節のFC東京戦、そして今回とこれで国立競技場では3戦連発。攻撃面でも勝負強さを見せつけている。

 スキッベ監督もその成長には賛辞を惜しまい。荒木が、文字通り勝利の使者となってチームを3大会ぶりの頂点に導いた。


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