11月1日のJリーグYBCルヴァンカップ決勝で、サンフレッチェ広島が3年ぶり2度目の優勝を果たした。1-0でリードした38分に、美しいFKを直接決めたのが東俊希。迷いなく左足を振って、鮮やかな一発で頂点へと導いてみせた。

上写真=確信を持って左足を振った東俊希のFKがゴールに飛び込んだ(写真◎高野 徹)

■2025年11月1日 ルヴァン杯決勝(観衆:62,466人@国立)
柏 1-3 広島
得点:(柏)細谷真大
   (広)荒木隼人、東俊希、ジャーメイン良

「出してくれた監督にも感謝」

「この舞台で決められる。そういう力を示すことができましたし、やっぱり興奮しましたね」

 1-0でリードした38分だった。中村草太が倒されて得た、ゴールやや右からのFK。東俊希は左足でリラックスして蹴り出すと、勢いを得たボールは5枚の黄色い壁の向かって一番左の選手の頭上を抜いて、GK小島亨介の左手を弾き、右ポストに当たってゴールへと飛び込んだ。

 蹴る前から予感があった。

「近くもなく、遠くもなかったので、ファウルがあった時点でなんか自信はありました」

 そう断言するほど、自分を信じることができた。だから、蹴るコースもスピードも迷いはなかった。

「選択肢を持っちゃったら、結局、迷ってうまく蹴れなくなるから、もう決めていました」

 壁を越すことに超集中して、左足でボールを送り出した。

画像: 蹴るコースは「決めていた」という(写真◎高野 徹)

蹴るコースは「決めていた」という(写真◎高野 徹)

 その左足は痛めていたという。ルヴァンカップ準決勝第2戦の横浜FC戦、J1第34節のFC東京戦、ACLE第3節の蔚山(韓国)戦と公式戦3試合を欠場した。J1第35節の横浜F・マリノス戦で途中出場で復帰すると、この日は先発。

「決勝に出られるかちょっと不安な部分もあったんですけど、トレーナーの皆さんがすごく時間をかけて治療してくれて、すごくいい状態で迎えることができました。感謝したいと思います」

「決勝は痛くても出るつもりではいたので、出してくれた監督にも感謝です」

 守備でも、対面に立った東洋大在学中のアタッカー、山之内佑成にほとんど何もさせずに、82分に新井直人に代わってピッチを去るまで、力を出し尽くした。

 東が2点目を奪ったあと、ジャーメイン良が45+2分に追加点を挙げて3-0としたが、81分には柏のFWの細谷真大に決められた。このまま3-1で終わったから、東の一撃が「決勝点」ということになる。

 前回、決勝に進出した2022年は負傷でピッチに立てなかった。その分の思いも左足に込めた一発。

「点を取ることもなかなかないですし、この舞台で点を取りたいと思ってきて、勝利に貢献できた。それが、本当にうれしいんです」


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