10月12日のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦で、柏レイソルが川崎フロンターレを4-1で下して大逆転で決勝に駒を進めた。スコアをひっくり返したのは、1ゴール2アシストを見せつけた仲間隼斗のセンスだった。
上写真＝仲間隼斗が反撃のゴールと2つのアシストで川崎Fを見事に下した（写真◎J.LEAGUE）
■2025年10月12日 ルヴァン杯準決勝第2戦（観衆：14,093人@三協F柏）
柏 4-1 川崎F
得点：（柏）垣田裕暉、仲間隼斗、細谷真大2
（川）脇坂泰斗
※1勝1敗、2試合合計5-4で柏が決勝進出
みんなを信じて、自分も信じて
こんなにも鮮やかで生き生きとした大逆転勝利のシナリオを書いたのは、間違いなく仲間隼斗だ。反撃のゴールを挙げたかと思えば、2試合通算の同点ゴールと逆転ゴールの両方をアシストしてみせたのだ。
ピッチに登場したのは67分。中盤の左のエリアを担当した。すでに相手は退場で一人少なく、仲間も「引っくり返せるだけのみんなの気持ち、このスタジアムの雰囲気があった」と感じていた。舞台は整っていた。
「相手が一人少なかったので。サイドに流れて起点を作って、そこからゴールに向かうところを求められていました」
左サイドで小屋松知哉と三丸拡とで作る三角形をくるくると回すようにポジションを入れ替えながら、相手陣内深くへと進入していった。
「相手が11人のときから押し込んでいたから、その続きだと思います。それにプラス、出しどころへのプレッシャーがかからなくなっていたと思うので、自分の動き出しが効いてくるんじゃないかなと」
まさにそんな狙いの通りのストーリーが始まるのだった。
「もう時間の問題かなと思っていました。あとは多少の強引さだったり、執念のところだと思っていて、そこがうまく出せたんじゃないかな」
まずは仲間のゴールから。73分に右CKを短くつないで素早く始めると、ペナルティーエリアの中で相手がもたついてこぼれたボールに反応、浮き球を胸で押し出してから左足できっちりとゴール右に蹴り込んだ。ピッチに入ってから6分の早業だ。
「予測のところで相手を上回ることができて、冷静に打てたと思います。なるべく早い時間帯で取りたかったので、良かったかな」
その4分後にもすかさずゴールを導いた。左のポケットに潜り込み、三丸からボールを受け取ると中央へ。これを細谷真大がヘッドでたたき込んだ。これで、2試合通算で4-4の同点に追いついた。
細谷が「高すぎず低すぎずいいボールが来ました」と感謝したクロスは、もちろん仲間にとっても手応え十分。
「ニアで合わせるところを狙って、本当にいいボールが上がったかなと。出し手がフリーでどこでも上げられる状態だったらゴールを目指す、というのが自分のセオリーの中にあるので」
と納得のアシストになった。
そして、90＋2分の歓喜の瞬間である。
またも左でボールを動かして相手の目線を惑わせながら、中川敦瑛のパスを受けると、センスが爆発する。右足のつま先から甲に乗せてすくい上げるようにループパス。ペナルティーエリア左にいた細谷が胸で収めてから、倒れ込みながらも右足で突き刺してみせた。
「ゴールはもちろんのこと、コンビネーションプレーのところを期待して投入して、期待通りの大活躍をしてくれたと思います」
リカルド・ロドリゲス監督も大絶賛だ。
「ファン・サポーターの雰囲気がもう、完全にひっくり返せる雰囲気だったので、自分もみんなのことを信じて、自分も信じてできたゲームかなと思います」
仲間にとってのコンビネーションプレーとは「信じること」である。
「でも本当に、前半から相手を圧倒してしていた選手たちがいて、だから全員が作り上げたゲームかなと思います」
柏が技術にも戦術にも優れ、そしてなにより全員が一つになる素晴らしいチームに成長して、いざ決勝の舞台へ上がる。
