第1戦を3-1で勝利していた川崎Fは、敵地での第2戦でも安定した戦いを披露した。ボールポゼッション率を高め、前後半で鹿島のシュート数をわずか3本に抑えた。時間の経過とともに、敵陣でゆったりとボールを回す時間帯を増やし、スコアレスドローで第2戦を終了。札幌の待つ決勝へ、2年ぶりに駒を進めた。

上写真=今大会初戦から先発出場を続ける下田(写真◎Getty Images)

■2019年9月25日 JリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦
鹿島 0-0 川崎F
(2試合合計スコア1-3で川崎Fが決勝進出)

「応援どころではないかもしれないけれど……」

 ホームでの第1戦を勝利した川崎Fは、アウェーの第2戦を引き分け以上の結果で終えられれば、決勝へと勝ち上がる状況。そのため、選手たちに課せられたタスクは明確だった。「相手にチャンスを作らせずに、その中で1点取れればいい」(下田北斗)。ゴールは決められなかったものの、「チームで辛抱強く、守備は集中してうまくやれていたのではないか」と、ボランチの下田北斗が振り返ったように、鹿島のシュート数をわずか3本に抑えて完封した。

「決勝に進めるということで、タイトルを取れるチャンスをつかめたことは、チームとして良かったのかなと思っています」(下田)

 昨季、湘南から川崎Fと移籍してきた下田は、初年度に自身初のJ1優勝を経験した。ただ、「昨年はなかなか貢献できなかった」と言うように、リーグ戦の出場数はわずか5試合にとどまった。

 そして迎えた2年目の今季。準々決勝からの登場となったルヴァンカップでは、ここまで4試合すべてにスタメン出場し、準々決勝第2戦(対名古屋・△2-2※合計スコア4-2)ではゴールをスコア。鹿島との準決勝2試合でも中盤でチームを支え、決勝進出の立役者となった。

「試合に出られると、個人的にリズムをつかめるし、充実感が多少はあります」と、自らの貢献ぶりに手ごたえをつかみつつも、「うまく行っているところもあるし、うまく行っていないところもある。個人としてもっとレベルアップしたい思いがあるので、満足はしていない」と、自身のさらなる成長を望んでいる。

 次戦は10月26日、埼玉スタジアム。札幌との決勝を制することができれば、川崎Fにとって初のルヴァンカップ制覇となる。

「台風で川崎市も被害に遭っている中、応援どころではないかもしれないですけれど、今日は多くのサポーターの方が応援しに来てくれた。その声援がすごく力になりました。決勝も多くのサポーターの方が来てくれるでしょうし、そこで自分たちのサッカーをして勝てれば一番良いなと思っているので、頑張りたいです」

 下田は自らの手で聖杯をつかみ取り、川崎サポーターに歓喜をもたらすことを誓う。

取材◎小林康幸

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