2022年にガイナーレ鳥取でDFとしてプレーした小林陸玖(こばやし・りく)さんが、セカンドキャリアで裏方としてサッカーに携わっている。23年限りで現役を引退したのち、今年から各カテゴリーのサッカー大会を企画・運営する会社に勤務。苦しいことが多かったJリーガーとしての経験を糧に、新たなステージで社会人としての成長を期している。

上写真=今年から株式会社毎日コムネットで勤務する小林さん。サッカーマガジンカップでも運営スタッフとして尽力した(写真◎石倉利英)

2023年限りで現役を引退

 9月8日から12日まで長野県上田市の菅平高原で開催された、第43回サッカーマガジンカップ オープン大会2025。近年は大学の準体育会・同好会・サークルの日本一を決める大会と位置付けられ、代々の選手・女子マネジャーに『マガ杯』『マガジン杯』の愛称で親しまれている大会は、株式会社毎日コムネットの主催・運営で行なわれている。

 同社のスポーツイベントデスクが運営している『サッカー大会.com』は、小学生、中学生、高校生、大学生の同好会、大学生の体育会、レディースと、男女の各カテゴリーを対象に大会の企画・募集を行なっている。小林さんは今年2月に入社し、半年が過ぎたばかりの新入社員。サッカーマガジンカップでもスタッフの一員として運営に携わった。

 東京都出身の小林さんは石神井SCでサッカーを始め、ヴェルディSSアジュント、東海大付高輪台高、東海大を経て、卒業後の2022年にガイナーレ鳥取に加入した。J3リーグ第8節で途中出場してJリーグデビューを飾り、計2試合に出場したものの、1年で契約満了に。翌23年に四国リーグのFC徳島でプレーしたのち、同年限りで現役を引退した。

画像: J3リーグ第8節で途中出場してJリーグデビュー。計2試合に出場したが、1年で契約満了となった(写真◎GAINARE TOTTORI)

J3リーグ第8節で途中出場してJリーグデビュー。計2試合に出場したが、1年で契約満了となった(写真◎GAINARE TOTTORI)

 セカンドキャリアを考えるにあたって「これまでの人生を振り返って、自分が一番燃えたもの、自分自身とは何かと聞かれて、パッと出てくるのはサッカー。だからサッカーに携わる仕事がしたかった」と振り返る。24年はサッカー関連の別企業で働き、今年2月に毎日コムネットに転職した。

 毎日コムネットが目に留まったのは「転職サイトの検索欄に『サッカー』と打ち込んだら、一番上に名前があった」からだが、一方で「高校時代、毎日コムネットの大会や合宿でプレーしたことがあった」ので、なじみがある名前でもあった。「自分がサッカー人生で最も成長したのは高校時代。毎日コムネットは高校の大会や合宿を数多く手がけているので、自分の経験も生きるのではないかと思って」同社で働くことを決めた。

 同社の課外活動ソリューション事業部・営業一課に所属し、各カテゴリーのサッカー大会や合宿の企画・営業・運営に携わっている。サッカーマガジンカップでは、各グラウンドの設営や審判員の送迎などのほか、試合中も各グラウンドを巡回し、草むらに入ったボールを探したり、負傷者の応急処置をしたりとフル稼働。夜も試合結果のチェックや翌日の準備など、遅くまで作業があった。

 社会人となり、最も苦労したのは「名刺交換や敬語の使い方、メールの打ち方など、ビジネスマナーを覚えること」だった。大会がない時期は、次シーズンの大会の企画や、参加チームを増やすための営業活動などの業務もあり、「取引先の方々、お客様に対しての言葉使いなど、いまも先輩に聞きながら勉強中です」と語る。


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