上写真＝後半アディショナルタイムの90＋2分、田中翔がDFを振り切ってドリブルで抜け出す。この後にGKをかわしたプレーでPKを獲得し、自ら決めた（写真◎石倉利英）
■2024年8月24日 J3リーグ第25節（@Axis:観衆5,057人）
鳥取 2-1 FC大阪
得点：（鳥）松木駿之介、田中翔太
（大）秋山拓也
「勝利に貢献したいと思っていた」
1-1で迎えた後半アディショナルタイムの90＋2分、MF普光院誠のパスに反応した田中翔が最終ラインの背後に抜け出し、GKと1対1に。間合いを詰めてきたFC大阪GK山田晃士を左にかわしたところでファウルを受け、PKを獲得した。
すぐにボールを脇に抱え、「自分が蹴ることしか考えていなかった」という。「これを決めるか、決めないかが、今後のリーグ戦につながる大事な1本だったので、確実に決めようと思っていた」と振り返るPKを決め、ゴール裏のファン・サポーターの近くまで駆け寄ると、ピッチ内やベンチのチームメイトも駆け寄って祝福の輪ができた。
新潟医療福祉大から加入1年目の今季、初のホームゲームとなった第3節でJリーグ初ゴール、チームのシーズン初得点となる先制点を決めたものの、その後に追い付かれて1-1の引き分け。前節までにホームでは計3得点を挙げながらも、チームは1分け2敗と未勝利に終わっていた。
ついに実現した、自分のゴールとチームの勝利の両立。祝福の輪の中で何度も雄叫びを上げ、「逆転勝利に導くことができて、フォワードとして一番うれしい瞬間だったので、思わず叫んでしまった」と笑った。
前節までチーム最多のリーグ戦7得点を挙げていたが、第21節以降は4試合得点がなく、第23節からは控えに。この日も3試合連続の控えスタートだったが、引き分けかと思われた時間帯に8点目を決め、「最近ゴールを決めることができていなかったので、どうしても決めてチームの勝利に貢献したいと思っていた。大事な3連勝が懸かっている試合で決めることができて、本当によかった」と喜んだ。
今季初の3連勝となり、「リーグ中断期間前に1つ勝って、良い流れで後半戦に入ることができて、前節も勝つことができた。普段から全員が勝利にこだわって練習していれば、どんな試合でもこういう勝負強さが身につくと思う」ときっぱり。それでも気を引き締めるように「まだ3連勝なので、残り試合を全勝する気持ちで練習に臨んでいきたい」と今後を見据えていた。
取材・写真◎石倉利英
