上写真=鳥取と讃岐の対戦は1-1の引き分けに終わった(写真◎石倉利英)
■2024年3月20日 J3リーグ第5節(@Axis:観衆934人)
鳥取 1-1 讃岐
得点:(鳥)富樫佑太
(讃)冨永虹七
「引き分けは妥当だったかな」
会場のAxisバードスタジアムがある鳥取市北部はこの日、夜明け前から暴風雪警報が発令。強風で飛ばされるアクシデントを防ぐため、ピッチ脇の広告看板は事前に撤去され、スタジアムグルメの規模も大幅に縮小されるなど、荒天に備える中でキックオフを迎えた。
試合前のコイントスで勝った讃岐は風上を選択した。米山篤志監督が試合後の会見で「コイントスで勝ったら風上を取ろうと話していた。自分たちの流れを作りたかったし、かなり強い風でしたから、風下か風上かで、やるサッカーも変わってくると思っていた」と明かした狙いが、立ち上がりの11分に実る。鳥取の自陣でのミスを突いて左サイドに展開すると、FW冨永がエリア内でのカットインから右足を振り抜き、鮮やかに右上スミに決めて均衡を破った。
強い風と雪混じりの雨が断続的に吹きつける中で試合は進み、気温は公式記録で5・2度ながらも、体感温度はそれ以上に低い極寒のコンディション。先制後は鳥取がFW田中翔、讃岐はMF吉田が惜しいシュートを放つもスコアは動かない。
前半アディショナルタイムには鳥取が攻め込んだが、田中翔のシュートは讃岐GK今村がブロック。こぼれ球に詰めたMF東出が至近距離から狙ったシュートも左ポストに当たって決まらず、讃岐が1-0とリードして前半を終えた。
後半は鳥取が風上となり、56分には3人を一度に交代して流れを引き寄せようとするが、なかなか良い形を作れない。それでも終盤に入って圧力を強め、80分にはMF世瀬がエリア外からミドルシュートで狙ったが、GK今村がセーブ。これで得たCKからDF大城がヘッドで狙うも、ゴールをカバーしていた讃岐MF岩本が頭でクリアした。
だが鳥取は88分、中盤でパスをつないで右サイドから攻め込むと、DF田中恵の折り返しをMF常安がニアサイドで触り、ファーサイドに流れたところをFW富樫が押し込んで同点ゴール。試合終了間際に追い付き、1-1で勝ち点1を分け合った。
鳥取の林健太郎監督は「厳しい条件でしたが、引き分けという結果はトータルで見ると妥当だったかなという思いもある」と振り返った。一方、YBCルヴァンカップも含めて今季公式戦で勝利がなく、またも初勝利を逃した讃岐の米山監督は「(リーグ戦の)この5試合では勝ち点3に一番近づいた試合だったので、勝ち切って終わりたい、というのが正直なところ」とコメント。それでも「1-0でリードしていて、なおかつ(風下で)風を受ける形で、受けに回ってもおかしくない状況だったが、強気な姿勢を保ったまま、相手コートでプレーし続けた。ここは非常に評価していますし、必ず次の勝ち点3につながっていくと思う」と戦いぶりを評していた。
取材・写真◎石倉利英
▼出場メンバー
・鳥取:GK櫻庭立樹、DF田中恵太、大城蛍、温井駿斗、小泉隆斗、MF東出壮太(56分:常安澪)、普光院誠、世瀬啓人、松木駿之介(53分:小澤秀充)、FW三木直土(68分:長谷川アーリアジャスール)、田中翔太(56分:富樫佑太)
・讃岐:GK今村勇介、DF宗近慧、奥田雄大、深港壮一郎、MF内田瑞己(HT:臼井貫太)、前川大河、川西翔太(61分:岩本和希)、吉田源太郎、FW森勇人(83分:江口直生)、冨永虹七、大野耀平(61分:小山聖也)