上写真=前半にミドルシュートを放つ普光院。後半にPKで先制点を決めたが、チームは最終節を勝利で飾れなかった(写真◎石倉利英)
■2023年12月2日 J3リーグ第38節(@Axis:観衆2,844人)
鳥取 1-1 鹿児島
得点:(鳥)普光院誠
(鹿)山本駿亮
PKは「そんなに緊張もしなかった」
前節終了時点で2位の鹿児島は勝てばJ2昇格、3位のカターレ富山との得失点差が7と大きいため、引き分けでも可能性は高いという状況で迎えた一戦。普光院は「相手は昇格が懸かっているので、硬くなるだろうと思っていた。自分たちのボールを持っている時間を長くして、どんどん鳥取の良さを出してプレーできれば」との思いでゴールを目指したという。
結果につながったのは後半に入った56分、エリア内で鹿児島MF中原秀人に倒されてPKを獲得すると、自らキッカーを務めて左上スミに蹴り込んで先制点。「あんなに上は狙っていませんが、左スミを狙おうと思っていた」と振り返り、「そんなに緊張もしなかったし、決めることができてよかった」と今季リーグ3得点目を喜んだ。
だが鳥取は76分に同点ゴールを奪われて1-1の引き分けに終わり、鹿児島のJ2昇格の喜びを目の前で見せつけられる結果に。「本当は最後に、ここで自分たちも昇格の可能性を残して試合がしたかった」と語った普光院は、この日を含めて引き分けがリーグ最多タイの14試合だった今季を振り返り、「シーズン途中で、もったいない引き分けが多かった。最後の最後で追い付いて引き分けた試合もあったので、どちらもありますが、勝ち切る力があれば昇格争いができたし、J3優勝にも届いたんじゃないかと思う」と悔やんだ。
ブラウブリッツ秋田から加入した今季、リーグ戦38試合中36試合に出場し、ボランチやサイドハーフなど複数のポジションで活躍した。「今季から入ったのはベテランの選手が多かったですが、うまくバランスが取れていて、選手間のコミュニケーションも取れていた」とチームの出来を評し、「チーム全体で、まだまだ経験不足のところがありますが、1年間を通して鳥取のサッカーを見せることができたと思う。それを積み上げていけば来季、もっと良いシーズンになるんじゃないか」と次なる戦いに目を向けていた。
取材・写真◎石倉利英