上写真=今季未勝利だった愛媛が、開幕2連勝の鳥取をアウェーで下して今季初勝利(写真◎石倉利英)
■2023年3月19日 J3リーグ第3節(@Axis:観衆3,702人)
鳥取 2-3 愛媛
得点:(鳥)重松健太郎、小澤秀充
(愛)松田力2、曽田一騎
・鳥取メンバー◎GK糸原紘史郎、DF田中恵太、鈴木順也、石井光輝、文仁柱、MF東條敦輝(HT:田村亮介)、丸山壮大(75分:富樫佑太)、普光院誠、牛之濵拓(85分:澤上竜二)、FW重松健太郎(85分:遊馬将也)、大久保優(55分:小澤秀充)
・愛媛メンバー◎GK徳重健太、DF三原秀真(83分:吉永昇偉)、大城蛍、小川大空、山口竜弥、MF森脇良太(77分:谷本駿介)、矢田旭、曽根田穣(77分:忽那喬司)、佐々木匠(83分:前野貴徳)、茂木駿佑、FW松田力(77分:曽田一騎)
一度は追いつかれるも突き放す
午前中から快晴となった鳥取地方は、日差しのあるエリアの気温はぐんぐん上昇。ただ日陰では肌寒さを感じるときもあり、公式記録の気温も14・3度と、あまり上がらない状況で試合が行なわれた。
立ち上がりからお互いにゴール前でのチャンスが多い展開。鳥取は17分にFW大久保が敵陣でボールを奪ってFW重松につなぎ、MF牛之濵がエリア内で落としを受けてシュートに持ち込んだが、ステップが合わずに弱くなり、愛媛GK徳重にキャッチされる。22分には愛媛が攻め込み、左サイドを抜け出した佐々木がファーサイドでフリーになっていたFW松田にパスを送ろうとしたものの、鳥取DF石井がパスコースを読んでカット。さらにこぼれ球を拾った佐々木のパスから曽根田が狙ったが、鳥取GK糸原の正面を突いた。
両チームとも最終ラインからパスをつなぐ狙いを持ち、そこにプレッシャーをかけてボール奪取を狙うシーンが多かったが、それをいち早く得点に結びつけたのは愛媛だった。43分、鳥取の最終ラインでのパス回しに連動してプレッシャーをかけ、MF茂木が敵陣左サイドの深い位置でボールを奪う。ドリブル突破からセンタリングを送ると、守備網の隙間に入り込んだ松田がヘッドで合わせて先制点を奪った。
鳥取は後半、ピンチがありながらもGK糸原の好守などでしのぎ、67分に同点ゴールを奪う。FKを短くつなぎ、MF文仁柱が浮き球のパスをエリア内へ。重松が胸トラップからボールの落ち際を左足ボレーで合わせると、鮮やかにゴール右下に吸い込まれた。
追いついた鳥取は攻撃の勢いが増し、69分にMF普光院が際どいミドルシュートを放つなど一気に逆転を狙うが、その矢先の70分に愛媛が勝ち越し点。左サイドからタイミング良くオーバーラップしたDF山口のセンタリングが鳥取の選手に当たり、右サイドに流れたところを曽根田が折り返すと、松田が右足で蹴り込んだ。
さらに愛媛は84分、交代出場のFW曽田がMF谷本のスルーパスを受けてエリア内に入り、突破を図ったところで倒されてPKを獲得。これを自ら決め、リードを2点に広げた(得点時間は86分)。昨季は中国リーグの福山シティFCでプレーし、カテゴリーを2つ上げて今季から愛媛でプレーする曽田は、これがJリーグ初ゴールとなった。
鳥取も懸命に食い下がり、6分と表示された後半アディショナルタイムの90+6分、MF小澤が左サイドから右足でファーサイドに蹴り込んで1点差。さらに左CKを獲得して同点を狙ったが、愛媛が何とかはね返して試合終了の瞬間を迎えた。
愛媛は今季、ホームでの開幕戦で、いわてグルージャ盛岡に1-5で大敗。同じくホームでの第2節もAC長野パルセイロに先制され、試合終了間際に何とか追いついて1-1で引き分けたものの、ホーム2連戦で未勝利に終わっていた。待望の今季初勝利となり、石丸清隆監督は「いま難しい状況ですが、後押ししてくれることに感謝したい」と鳥取まで大挙駆けつけたファン・サポーターに感謝し、「試合でも難しい状況がありましたが、最後まで選手たちがやり切ったことも、これから前進できる材料だと思う」と今後を見据えていた。
現地取材・写真◎石倉利英