10月30日の明治安田生命J3リーグ第31節で、ガイナーレ鳥取と藤枝MYFCが対戦した。なかなかスコアが動かない状況で迎えた終盤、ホームの鳥取が先制したが、藤枝は試合終了間際に同点ゴールを決めて引き分け。昇格争いで優位を保つ貴重な勝ち点1を手にした。

上写真=先制された藤枝は最後まで攻め続け、最後の最後に追い付いた(写真◎石倉利英)

■2022年10月30日 J3リーグ第31節(@Axis:観衆1,451人)
鳥取 1-1 藤枝
得点者=(鳥)石川大地
    (藤)神谷凱士

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF石田侑資(83分:魚里直哉)、増谷幸祐、鈴木順也、文仁柱(75分:清永丈瑠)、MF石川大地、世瀬啓人、新井泰貴、田村亮介(64分:石井光輝)、FW髙尾流星(HT:田口裕也)、澤上竜二

・藤枝メンバー◎GK内山圭、DF小笠原佳祐、川島將、鈴木翔太(78分:神谷凱士)、MF鈴木惇(78分:久富良輔)、水野泰輔(67分:岩渕良太)、久保藤次郎、杉田真彦、横山暁之、榎本啓吾、FW渡邉りょう(85分:大石治寿)

松本を得失点差で上回る

 朝から曇り空だった鳥取市は、試合開始前は雨がぱらついた時間もあったが、本降りとはならず。ただ、太陽は顔をのぞかせたものの風は冷たく、公式記録で気温17・4度と少し肌寒さを感じさせる中での戦いとなった。

 鳥取は開始2分、カウンターから右サイドを抜け出したMF石川が右足で狙う決定機を迎えたが、左に外れて決まらず。その後は藤枝が主導権を握り、縦にボールを運ぼうとする鳥取の攻めを寸断してボールを支配するが、鳥取も的確なクロス対応などではね返し、ゴールを割らせない。

 藤枝は25分にMF杉田、鳥取は30分にDF文仁柱、44分にはMF世瀬がミドルシュートを放つ場面もあったが、やはり得点には至らず。一進一退の攻防が続く中、そのままスコアレスで前半を終えた。

 後半に入って50分、藤枝はMF横山のインターセプトから一気に攻め込み、最後はFW渡邉が右足で狙うが、鳥取DF増谷がブロック。52分にも左右から攻め込んで波状攻撃を仕掛けるが、懸命に体を張る鳥取の守備網を破れない。59分にはMF鈴木の鮮やかなサイドチェンジから、右サイドで2人をかわしたMF久保が左足で狙うも、鳥取GK田尻の正面を突いた。

 押し込まれる時間を耐えた鳥取は徐々に押し返してチャンスを作ると、83分に先制点を奪う。CKからのセカンドチャンスで、DF石井が左から送ったセンタリングに、ゴール前でうまくマークを外したMF石川がヘッドで合わせ、ネットを揺らした。

 鳥取はその後、CKも短くつないでボールをキープするなど、時計の針を進めて逃げ切りを図る。藤枝も懸命に奪い返して攻め返すものの、4分と表示された後半アディショナルタイムも3分を過ぎ、苦しい状況に追い込まれた。

 しかし93分30秒過ぎ、右サイドでFKを得ると、GK内山も攻め上がるなかで、DF神谷はゴール前には蹴らず、右サイドに走り抜けたMF横山へつなぐ。横山のセンタリングははね返されたが、このボールを拾った神谷が鳥取MF石川をドリブルでかわすと、左足でカーブをかけたシュートをファーサイドに蹴り込み、土壇場で追い付いた(得点時間は90+4分)。
 
 藤枝は敗れていれば、同時刻キックオフで勝利を収めた松本山雅FCに抜かれ、昇格圏内の2位から3位に後退するところだった。しかし執念のドローによって松本と同じ勝ち点63となり、得失点差で上回って2位をキープ。試合後の会見で、2位浮上後の最近数試合は「守りに入っている感じがあったので、メンタルの部分で修正を施してきた」と語った須藤大輔監督は、「終盤に点を取られて、でもそこから追い付けたのは力を感じる。この勝ち点1をポジティブに考えて、ラスト3戦は鎖につながれた状態ではなく、鎖を打ち破って飛び立ちたい」と、初のJ2昇格を目指す残り3節を見据えていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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