5月15日の明治安田生命J3リーグ第9節で、ガイナーレ鳥取と福島ユナイテッドFCが対戦。前半のうちに3得点を奪った福島が、鳥取の反撃をリーグ最強の堅守で封じて4-0で勝ち、3試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。

上写真=福島が充実の内容で鳥取を下し、アウェーで勝利を収めた(写真◎石倉利英)

■2022年5月15日 J3リーグ第9節(@Axis:観衆1,211人)
鳥取 0-4 福島
得点者:(福)高橋潤哉2、大武峻、長野星輝

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF丸山壮大、鈴木順也(61分:長井響)、石田侑資(72分:小澤秀充)、魚里直哉(HT:増谷幸祐)、MF妹尾直哉(HT:世瀬啓人)、新井泰貴、石川大地、永島悠史、FW田口裕也、大久保優(HT:清永丈瑠)

・福島メンバー◎GK山本海人、DF雪江悠人(72分:河西真)、大武峻、堂鼻起暉、MF田中康介、諸岡裕人(76分:柴圭汰)、粟野健翔(HT:上畑佑平士)、北村椋太(76分:橋本陸)、長野星輝、延祐太、FW高橋潤哉(81分:森晃太)
 ※実際のポジションで表記

セットプレーで連続得点

 この日の鳥取地方は雲が多く、日差しこそ弱かったものの、雨の心配はない好天。Axisバードスタジアムのピッチ状態も良く、素晴らしいコンディションの下で行なわれた。

 開始直後は鳥取の攻撃に勢いがあり、大久保と田口の2トップがゴールに迫る場面もあったが、しのいだ福島は13分に先制。MF北村の左CKからDF堂鼻が左足で狙ったシュートがファーサイドに流れたところを、詰めていたFW高橋が蹴り込んで均衡を破った。

 セットプレーで流れを引き寄せた福島は、立て続けに18分にもセットプレーから追加点を奪う。左サイドのFKを1点目と同じく北村が蹴ると、中央でフリーとなったDF大武がヘッドで合わせてネットを揺らした。

 その後に鳥取もエリア内でシュートを放つ場面を作るが、的確なブロックで防いだ福島は31分過ぎ、自陣でこぼれ球を拾ったMF田中が敵陣までドリブルで運び、鳥取の緩慢な対応を突いてエリア内に走り込んだMF長野にスルーパス。鳥取DF魚里に倒されてPKを獲得し、これを長野が自ら決めてリードを広げた(得点時間は34分)。

 何とか流れを変えたい鳥取は、ハーフタイムに3人を交代で送り込み、前への圧力を強めてゴールを目指すが、福島はエリア内に入られても守備陣が的確に対応。前節までの8試合でリーグ最少の3失点という堅守は揺るがず、相手に主導権を渡さない。

 無失点で試合を進める福島は68分、右サイドを崩して長野が中央にセンタリングを送ると、鳥取DF長井が戻りながら懸命にクリアしたボールが右ポストへ。ゴールライン上に転倒した長井のところに戻ってきたボールを、詰めていた高橋が押し込んで4点目を奪った。これで大勢は決し、福島はその後の反撃も封じて4-0で勝利。前々節は愛媛FCと引き分け、前節は同じ福島県のライバル、いわきFCに今季初黒星を喫して2試合未勝利だったが、敵地で鳥取を圧倒して3試合ぶりの勝利をつかんだ。

 現役時代の2010年に当時JFLの鳥取に加入し、J2昇格に貢献している服部年宏監督は、攻守それぞれの課題を挙げながらも「連敗しなかったことが非常に大きい」と評価。13年限りでの現役引退後、初めてバードスタジアムに来たとのことで「このスタジアムで指揮を執れたことに、いろいろな思いがある。(ベンチからの光景は)なかなか見ることがなかったですし、懐かしい雰囲気や空気を感じて、よかったです」と笑顔で振り返っていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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