11月21日の明治安田生命J3リーグ第28節で、ガイナーレ鳥取とFC今治が対戦した。前半から主導権を握った鳥取が、後半に連続ゴールで2点をリード。今治も終盤に1点を返したが、逃げ切った鳥取がホーム2連勝で最下位を脱出した。

上写真=鳥取が後半の2得点で今治を下した(写真◎石倉利英)

■2021年11月21日 J3リーグ第28節(@Axis:観衆1,255人)
鳥取 2-1 今治
得点:(鳥)田口裕也、石川大地
    (今)安藤智哉

・鳥取メンバー◎GK糸原紘史郎、DF鈴木順也、藤原拓也、杉井颯、MF妹尾直哉(78分:横川旦陽)、世瀬啓人、新井泰貴、魚里直哉、石川大地、可児壮隆(86分:清永丈瑠)、FW田口裕也(78分:永島悠史)
 ※実際のポジションで表記

・今治メンバー◎GK修行智仁、DF原田亘、安藤智哉、飯泉涼矢、上原拓郎、MF山田貴文(87分:駒野友一)、楠美圭史、小松駿太(70分:武井成豪)、FW島村拓弥、高瀬太聖(61分:東家聡樹)、近藤高虎(70分:梁賢柱)

後半立ち上がりに2得点

 数日前から好天が続いていた鳥取地方は、この日も日差しこそ少なかったものの、穏やかな一日に。試合終盤に少し寒さを感じたが、公式記録で気温18・0度という暖かさの中で行なわれた。

 立ち上がりから鳥取が敵陣でパスをつなぎ、今治ゴールに迫る展開。MF可児が「相手のシステム(4-3-3)とウチのシステム(3-4-2-1)で、ミスマッチが生まれるところをチーム全体でうまく突いていこうという狙いがあった」というプレーが奏功し、主導権を握った。

 ただ、ゴール近くまでは行くものの、ミドルシュートが枠を捉えなかったり、センタリングが中央に合わないなど、決定機を作るには至らず。良いリズムを得点に結びつけることはできず、両チーム無得点で前半を終えた。

 前半はシュートゼロと攻撃が低調だった今治は、51分に攻め上がったDF安藤がヘッドで狙うも、鳥取GK糸原がセーブ。攻め込みながらも得点できない鳥取にとっては、嫌な流れかと思われたが、55分に均衡を破った。敵陣左サイドの高い位置でボールを奪ったMF石川のパスを、MF魚里がゴールラインを割る寸前でニアサイドへ折り返す。今治DF安藤が触れずに後方へ流れたボールを、待っていたFW田口がワントラップから左足で蹴り込んだ。

 さらに鳥取は57分、自陣でのボール奪取からカウンターに転じると、右サイドからオーバーラップしたDF鈴木がセンタリング。MF世瀬のヘッドは今治GK修行がセーブしたものの、こぼれ球をMF石川が押し込み、連続ゴールでリードを広げた。

 今治は58分に右サイドを崩し、最後はエリア内でパスを受けたFW島村が左足でニアサイドを狙ったが、GK糸原が左足を伸ばして好セーブ。その後も選手交代で攻撃を活性化して反撃を試みるも、思うようにチャンスを作れなかった。

 だが85分、右サイドから攻め上がったDF安藤がそのままゴール前に残り、DF上原の左からのセンタリングを打点の高いヘッドで合わせ、Jリーグ初ゴールを決めて1点差。勢いづいた今治は4分と表示された後半アディショナルタイム、足がつった鳥取MF魚里がピッチ外に出てプレーできなくなったため、数的優位の状態で攻め立てたが、鳥取が何とか1点差で逃げ切った。

 鳥取は第26節に続くホーム2連勝で、順位を1つ上げて14位に浮上し、最下位を脱出。金鍾成監督はファン・サポーターの存在に触れて「いままで十分過ぎる応援をいただきながら、結果を残せていなかった。チーム全体で一つでも良いゲームを、一つでも勝ち点を、という思いが強く、試合に表れて、ともに勝ちを喜べてよかった」と語り、シーズン残り2試合に向けて「一つでも良い試合、勝ちをサポーターに届けたい。その思いだけです」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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