12月20日の明治安田生命J3リーグ第34節で、ガイナーレ鳥取とロアッソ熊本が対戦。雪の影響で試合開始が遅れた一戦は、現役を引退する鳥取FWフェルナンジーニョが1得点1アシストの活躍を見せ、有終の美を飾った。

上写真=鳥取は56分、雪が舞う中でFWフェルナンジーニョがGKとの1対1を冷静に沈めて2-0とする(写真◎石倉利英)

■2020年12月20日 J3リーグ第34節(@Axis:観衆973人)
鳥取 2-1 熊本
得点:(鳥)井上黎生人、フェルナンジーニョ
    (熊)浅川隼人

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF小牧成亘、井上黎生人、新井泰貴、MF可児壮隆(69分、世瀬啓人)、三沢直人、新井光、フェルナンジーニョ、FW安藤一哉(87分、山本蓮)、大久保優(69分、谷尾昂也)、魚里直哉(83分、西山雄介)

・熊本メンバー◎GK内山圭、DF黒木晃平、小笠原佳祐、菅田真啓(59分、小谷祐喜)、石川啓人、MF河原創、上村周平(84分、東出壮太)、岡本知剛(59分、田村翔太)、FW中原輝、髙橋利樹(46分、浅川隼人)、谷口海斗

J3最年長得点記録を更新

 試合前日からの除雪作業が遅れた影響で、試合開始時間を13時から15時に遅らせたため、期せずして今季のJリーグで最後の試合となった一戦。試合中も雪混じりの雨が断続的に降り続き、公式記録の3・1度以上に厳しい寒さを感じる中での一戦となった。
 
 立ち上がりは熊本が主導権を握り、ピッチを幅広く使った攻めでゴールに迫る。5分にはFW髙橋利樹が右サイドのスペースに抜け出してシュート、鳥取GK田尻健が触った後のこぼれ球がゴールマウスに向かったが、左ポストに当たって決まらなかった。
 
 その後も押し込んだ状態が続きながらも、なかなか先制できなかった熊本に対し、鳥取は今季限りで現役を引退するFWフェルナンジーニョのキープ力を軸に反撃に転じる。徐々にチャンスが増え始めた43分には、フェルナンジーニョが蹴った右CKに、ニアサイドに飛び込んだDF井上黎生人がヘッドで合わせ、少ないチャンスを生かして鳥取が先制した。

 さらに鳥取は後半に折り返した56分、田尻が自陣からのFKのゴール近くまで蹴り入れると、熊本守備陣が処理を誤ってエリア内に抜けたボールにフェルナンジーニョが反応。GKとの1対1を冷静に沈め、自身が持つJ3最年長得点記録を39歳11カ月7日に更新する2点目を決めた

 だが熊本も65分、ゴール前で巧みにパスをつないでエリア内に侵入。MF上村周平の右からのセンタリングを、逆サイドからFW谷口海斗が折り返すと、最後はFW浅川隼人が蹴り込んで1点差に詰め寄った。これで熊本の攻撃に勢いが出たものの、その後は鳥取も懸命に対応。ゴールに迫られる場面もあったが1点差を守り切り、今季Jリーグ最後の勝者となった。

 ラストマッチのフェルナンジーニョはフル出場、1得点1アシストの素晴らしい活躍でチームを勝利に導き、有終の美を飾った。試合後のオンライン会見では「最終節は試合に出て、自分ができる限りのことを、これまでやってきた通りに出して、サポーターの皆さんへの感謝の気持ちを伝えることができればと思っていました。ゴールを決めてアシストして、最後を勝利で終わることができた。完璧でした」と感慨深げにコメント。花道を自らの手で飾り、最後は流ちょうな日本語で「サヨナラ、バイバイ!」と手を振ってプロキャリアに別れを告げた。

現地取材・写真◎石倉利英


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