上写真＝高校時代を過ごした島根のお隣、鳥取での試合に臨んだ井上（写真◎石倉利英）
■2020年12月9日 J3リーグ第32節（@Axis:観衆:680人）
鳥取 0-0 秋田
秋田のスタートダッシュに貢献
12月9日の明治安田生命J3リーグ第32節で、ブラウブリッツ秋田はアウェーでガイナーレ鳥取と対戦した。FW井上直輝は5試合連続となる先発出場。立ち上がりから守備では厳しく相手ボールにプレッシャーをかけ、マイボールになればスペースに走り込んでパスを呼び込んだ。
ただ、なかなかシュートまでは持ち込めず、シュートゼロのまま64分に交代で退いた。試合後のオンライン会見で「攻撃の基点になって、収めて渡すところまではできていた」と振り返った井上は、「そこから自分でゴールに向かっていくとか、渡した後の動き出しの質をもっと高めていかないと、ゴールにはつながらない。そう思いながらプレーしていて、試合が終わった後も反省しています」と自身の出来を振り返った。
びわこ成蹊スポーツ大から加入1年目の今季、開幕戦で交代出場からJリーグ初ゴールを決めると、第4節までにすべて交代出場で3得点。アウェーでカターレ富山と対戦した第4節の得点は1-0勝利の決勝ゴールで、秋田のスタートダッシュに貢献した。
その後は第21節での得点が最後で、J3優勝とJ2昇格を決めた第28節から鳥取戦までは5試合連続で先発出場したが、無得点が続いている。それでも井上は「毎試合、得点したいと思ってプレーしていますが、得点のことだけをやっても入らないかな、と思っている」と語り、「いま自分がやれることを、やりながら増やしていって、その結果、ゴールにつながればいいと思っている」と前向きに答えた。
LEO SC（大阪）から進んだ島根・立正大淞南高での3年間で力を伸ばした。シュートのうまさと鋭い得点感覚、勝負強さが持ち味のストライカーとして、2年時から主力の一人として活躍。3年時の2015年には同校伝統のエースナンバーである17番を背負い、インターハイ3位の原動力となっている。
「自分を育ててくれた場所。山陰のピッチに立てて、うれしかった」と喜んだ井上は、高校時代に学んだことを問われると「自分のプレースタイルは高校時代にできたと思っている。体の使い方や、献身的なプレーも、高校で身につけることができた」とコメント。びわこ成蹊スポーツ大で、さらに力を伸ばしてプロ入りした現在も、高校時代に学んだことは「すべて生かすことができている」という。
今季残り2試合は、来季からのJ2の戦いに向けた序章でもある。井上は「いま自分ができていることにプラスして、収めてから、もっと強引に仕掛けたり、ペナの中（エリア内）に入っていく動きを出していけたら、自分の得点にも、チームの得点にもつながると思う」と課題を挙げ、残り2試合での活躍を期していた。
現地取材・写真◎石倉利英
