ガイナーレ鳥取DF大城蛍が、現状を変えようと懸命だ。浦和レッズから育成型期限付き移籍で加入した今季、出場機会なしの苦境が続いているが、チャンスを得るために、必死に前を向いてプレーを続けている。

上写真=サンフレッチェ広島との練習試合にフル出場した大城(写真◎石倉利英)

ここまでベンチ入りもゼロ

 9月28日に行なわれたサンフレッチェ広島との練習試合を終えて、ガイナーレ鳥取DF大城蛍は「アピールしたかったですが、なかなかうまくいかなかった」と悔しそうに語った。リーグ戦で出場機会を得ている選手も多く出場した格上の広島を相手に、3バックの中央と右サイドで90分間フル出場したものの、立ち上がりから失点を重ねて前半だけで5失点。鳥取は後半に0-6とされた後に1点を返したものの、1-6の大敗となった。

 浦和レッズユースからトップチームに昇格して2年目の今季、育成型期限付き移籍で鳥取へ。土田尚史スポーツダイレクターや大槻毅監督からは「常に試合に出場し続けろ」「そうでなければ、浦和は戻ってきても出られるような環境じゃないぞ」とハッパをかけられて送り出された。

 だが明治安田生命J3リーグ第18節終了時点で出場はおろか、ベンチ入りした試合もゼロ。井上黎生人、石井光輝、小牧成亘、上松瑛のいずれかで定着している3バックの定位置争いに食い込めていない。この日は約1カ月ぶりの練習試合で「試合勘を戻すためにも、いつも以上にできればと思いましたが、思った以上に体が動かなかった」と振り返った。
 
 髙木理己監督はDFにも、チャンスがあれば積極的に攻め上がっていくことを求めている。大城も「理己さんが攻撃的なサッカーを求めているので、もっと攻撃に参加しなければいけない」と分かってはいるものの、「難しいですね」と現状を語る。

 苦しいシーズンとなっているが、鳥取は現在リーグ戦3連敗中。チームの結果が出ていないことは、これまで出場機会が少なかった選手にとっては状況を変える機会となり得る。

「チャンスをつかむために、やるしかない」

 必死に前を向こうとする思いを胸に、言葉を振り絞った。この日は浦和の強化部スタッフが会場を訪れ、プレーぶりをチェック。状況を気にかけてくれる古巣の思いにも応えるべく、現状を変えるチャレンジが続く。

取材・写真◎石倉利英


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