ガイナーレ鳥取MF安藤一哉が、6月27日のJ3リーグ開幕戦でJリーグデビューを果たした。3月に右ヒザを負傷し、長いリハビリを経てつかんだチャンス。あこがれのプロの舞台に立ち、さらなる飛躍を期している。
上写真=開幕戦でJリーグデビューを果たし、オフ明けの練習に臨んだ安藤(写真◎石倉利英)
「幼い頃からの夢だった」
セレッソ大阪U-23と対戦した6月27日のJ3リーグ開幕戦。東京農業大から今季、ガイナーレ鳥取に加入したMF安藤一哉のJリーグデビューは、スコアレスで迎えた64分だった。MF新井光との交代でヤンマースタジアム長居のピッチに立った瞬間を、「デビュー戦なので思い切ってやろう、どんな状況でも自分のプレーを見せようと思って試合に入った」と振り返る。
試合は88分にFW田口裕也が決勝点を決め、1-0で勝利。喜びの輪に加わり、「試合ができるまでの過程で、いろいろな人たちに支えられていると感じていました。最後にああやって点が入って勝ったことは、チームにとっても、僕にとっても、いろいろな人にとってうれしい瞬間でした」という。
大学卒業を控えて一般企業から内定をもらい、社会人として働くつもりだった。だが2019年末、練習参加を経て鳥取からオファーを受け、プロ入りを決断。「幼い頃からの夢だったので、話が来たときは、すぐに『鳥取でやらせてほしい』と言いました」と語る急展開で、新しい一歩を踏み出した。
しかし、いきなり試練が訪れる。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてJ3は開幕前に延期。チーム練習が続けられていた3月25日、左ヒザ内側側副靭帯を損傷して全治2カ月と診断された。ほどなくトップチームの活動も休止となり、「ヒザのケガは初めてで、2カ月のリハビリも経験したことがない」という難しい時期を過ごすこととなった。