活動休止中の各Jクラブがビデオ会議システム『Zoom』を活用する中、ガイナーレ鳥取は「Zoom勉強会」を実施。選手からの発案で、スタッフが講義を行ない、オフ・ザ・ピッチでの成長につなげようとしている。

多くの意見が飛び交う

 当初はクラブハウスなどで、選手全員が集まる機会を設けようと考えていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がり、クラブが活動休止となった。それでも藤原は「家で過ごす今だからこそ、サッカー以外のことを勉強する機会を作りたい」と思い、『Zoom』で開催することに。講師を務めた高島氏は内容について、こう振り返る。

「2回目は私自身のキャリアのことや、インターネットビジネスの現状などについて話をしました。たとえば、いま当たり前に使っている『LINE』ですが、ちょっと前まではキャリアメール(携帯電話各社のメール)が主でした。インターネットというツールがどう世の中のサービス変化を生み出しているか、インターネットビジネスの仕組みや課金モデルなどを話しました」

 参加した選手たちは新鮮な内容に驚きつつ、高島氏が話した内容に準じて地元の経済を盛り上げるアイディアが出てくるなど、多くの意見が飛び交った。合間には、グラウンドで顔を合わせることができないチームメイトと冗談を言い合うなど、何かと息苦しい現状の中、精神的にも有意義な勉強会になったようだ。

 早く『Zoom』を使わなくても実施できる環境になることが望ましいが、高島氏は今後について「異業種の方をゲストに呼んだり、選手が自分自身の価値を高めるためのワークショップなども開きたい」と考えている。藤原は「選手は現役を引退するとき、将来の収入への不安がきっかけになることも多いはずです。こうした活動でビジネスについて学び、実践することでお金に対する不安がなくなれば、選手のキャリアが伸びることにつながっていくのでは、という思いもあります」と語る。

 J3リーグは開幕前に延期となり、まだ1試合も行なわれていない。今後の再開時期も見通せないが、オフ・ザ・ピッチでも選手の成長を促しながら、2013年以来のJ2復帰を目指す。

文◎石倉利英 写真◎ガイナーレ鳥取

画像: 今季鳥取に加入し、「Zoom勉強会」を呼びかけた藤原(写真◎ガイナーレ鳥取)

今季鳥取に加入し、「Zoom勉強会」を呼びかけた藤原(写真◎ガイナーレ鳥取)


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