10月11日の明治安田J2リーグ第10節で、アルビレックス新潟は湘南ベルマーレにアウェーで1-1のドロー。89分に浴びた同点弾は関口正大のすぐ近くで決められた。その悔しさは残るものの、移籍して1カ月ほどでフィットして欠かせない戦力になっていることを証明した。

上写真=悔やみきれない失点の直後のカット。関口正大(右端)の表情が歪む(写真◎J.LEAGUE)

■2026年10月11日 J2第10節(観衆13,545人/@レモンS)
湘南 1-1 新潟
得点:(湘)奥埜博亮
   (新)若月大和

「来たときから別に違和感がなくて」

「1-0で終われるゲームだったので、僕のところがすべて」

 接触プレーで切れてしまって出血した唇を腫らしたまま、関口正大がうなだれる。それは89分のシーンのことだ。

 アルビレックス新潟が若月大和のゴールで1-0でリードしながら、72分に大西悠介が2度の警告を受けて退場。1人少ないまま、湘南ベルマーレの猛攻を受け続けた。新潟の左サイドからインスイングのクロスが飛んできた。ジェイソン・ゲリアの頭を越えてくる。

 その後ろの「僕のところ」で関口はファビアン・ゴンザレスのマークについていたのだが、ボールはさらに奥にまで飛んで、フリーになっていた奥埜博亮にヘッドでたたき込まれた。痛恨の同点ゴール。

「失点シーンでは、僕がボールに行ければよかったんですけど、うまく対応しきれなかった。もったいない失点でした」

 その直前まで相手の猛攻にも全員が集中してゴールを死守していただけに、一瞬のエアポケットを作ったことを悔やんでも悔やみきれない。

「このチームがJ1に上がろうとするときに、こういう試合を勝ち点3に持っていかないと難しい。いいプレーをしていても結果がすべてなので、勝ち点2を落としてしまったゲーム」

 9月にV・ファーレン長崎から、故郷のクラブに加入したばかり。その長崎では2025年シーズンに昇格を果たしたチームの重要な戦力だった。昇格レースを戦い抜いた経験から、この「-2」が示す危機感には、人一倍敏感だ。

 アルビレックス新潟の右サイドバックを5シーズン半に渡って担ってきた藤原奏哉が、9月にガンバ大阪に完全移籍。その補強として関口に白羽の矢が立った。右サイドハーフの大澤朋也も同じタイミングでの加入で、この日はともに3試合連続の先発出場だったが、新しい縦関係は長くここで組んでいるかのようにスムーズだった。

「朋也だけじゃなくて、大和が裏に走ってくれたり、(白井)永地くんが横でサポートしてくれたり、モラ(マテウス・モラエス)が相手を引きつけてくれていることもあっての、僕と朋也の関係だと思うんです。ジェイソン(ゲリア)も含めて、この2人だけというよりは、チーム全員の立ち位置やバランスで、いい形でストロングを出して崩せているシーンも何回もありました」

 右サイドの低い位置でボールを持った関口の視野を想像してみる。左斜め後ろにゲリア、左横に白井がいて、前線のスペースに若月や大澤が代わる代わる走り込み、段差をつけるようにして空いた場所にマテウス・モラエスが受けに来る……そんな動きが目に浮かぶ。

 周囲が構築してきたメカニズムに、関口の速さや献身性がぴたりとはまった印象だ。

「周りの選手とのコミュニケーションも含めて、来たときから別に違和感がなくて。負けずに修正しながらできているし、今日は勝てるゲームでしたけど、これを続けながら、勝ち点3につなげていく作業をしていかなければならない」

 チームはここ5試合で3勝2分け。これを足がかりに、勝つことはもちろんだが、負けない集団になることもJ1昇格には必要になってくる。

「(前節の)徳島戦のように自分たちが主導権を握れる試合もあれば、今日のように相手に主導権を握らせるというか、ボールを回させる感覚で自分たちが試合を運べています。試合によって変えることができているのは僕たちにとってプラス」

 そのどちらにも対応できている柔軟性を、移籍してわずか1カ月で実感している。

「焦らずにサッカーができている。それがこのチームの強みなんだと、ここに来て思っています」

 安定感という大きな力を表現する一員として、すっかりオレンジのユニフォームが似合うようになった。


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