上写真=シマブク・カズヨシは新潟でポジションをつかみ、オールスターにも出場した(写真◎J.LEAGUE)
苦手なこと
15試合、1094分出場、3ゴール2アシスト。藤枝MYFCからアルビレックス新潟に帰ってきたアタッカー、シマブク・カズヨシにとって、ブレイクの足がかりをつかむ百年構想リーグであった。
第5節、高知ユナイテッドSC戦の後半から出場してはつらつと跳ね回ると、これをきっかけに出番を増やした。13節のカターレ富山戦を除き、先発出場12試合、交代出場3試合でプレーオフラウンドまで駆け抜けた。
「試行錯誤しながらいろいろなことにチャレンジできたと思いますし、守備の面でも自分から奪って、そこからチャンスにつなげることもできたので、そこは続けていきたい」
左サイドハーフとして、小刻みなボディーシェイクとステップにスピードを組み合わせてぶち抜くタイプ。そのベースを大事にしながらもチャレンジしたのが、「苦手なこと」だったという。
「例えば、間のポジショニングを取り続けるのがあまり好きではないというか、外に張って、そこから動き出して裏に抜けたりボールを持って仕掛けたりすることが多かった。でも今年は、間で受けて、ターンして、はたいて、また自分が潜っていく、というプレーはうまくなったかな。いろいろな選手とのコンビネーションで自分が中に入ることが多かったので、少しは克服できたと思います」
ドリブル総数38はチームで最も多く、クロス総数46は左サイドバックの佐藤海宏と並んでこちらも最多。内側でプレーできれば、外にも出ていける。逆もしかり。内と外の「二刀流」がこの半年の成果だ。
渡邊凌磨の「オーラがすごかった!」
そんな「内側」と「外側」でのチャンスメークに加えて「3つ目」のチャレンジになったのは、フィニッシャーとしての役割だ。船越優蔵監督はチャンスの場面ではペナルティーエリアに4人が入るように求めている。シマブクが記録した3つのゴールうち2つは、右サイドからの崩しに反応し、逆サイドから中央に入って決めたものだった。
そして、本人の一番のお気に入りは、17節の奈良クラブ戦で決めたもう一つのゴール。FKを直接蹴り込んだ鮮やかな一発だ。
「前日の練習でも決めていたんです。うまくきれいに入ってくれてよかったなと」
ゴール中央、およそ20メートルの距離から蹴り上げたボールが壁を越えて左に曲がりながら落ちていき、ゴール左上に飛び込んだ。まさしく理想的な軌道。その感触はシーズンが終わっても右足に確かに残っているという。
「藤枝ではずっと蹴っていて、新潟に帰ってきて途中から蹴らせてもらうようになって、少しずつ良くなっている感じです」
6月13日のJリーグオールスターDAZNカップではJ2・J3 WEST-Bとの1回戦で22分に登場したが、ポジションはいつもと異なる右サイドハーフだったこともあって、目立ったプレーはできなかった。それでも、少年時代を過ごした埼玉県東松山市出身の先輩、浦和レッズのキャプテンである渡邊凌磨にあいさつをして「オーラがすごかったです」と目を丸くした(ちなみに渡邊にこの話を伝えると「いやいや、そんなことないです。でも頑張り続けます」と謙遜していた)。
渡邊もドイツから戻ってきたときに、最初に新潟で地歩を固めた。シマブクもその先人のようなオーラを身につけるために、来る新シーズンに挑んでいく。
