上写真=町田がJ1昇格に続き、J2優勝も決めた(写真◎福地和男)
■2023年10月29日 J2リーグ第40節(@Gスタ/観衆11,181人)
町田 1-0 金沢
得点:(町)平河 悠
これこそ「最高の景色」
FC町田ゼルビア、J2優勝!
クイーンの「We are the champions」が流れる中で、選手たちの喜びの笑顔が弾ける。何度もシャーレアップしては、サポーターの歌もこだまする。
すでに前節でJ1昇格を決め、この前日に2位の清水エスパルスが敗れたことで、その時点でJ2優勝が決まって迎えた一戦。これが今季ホームラストゲームだから、「祝賀パーティー」になった。
華を添えるように、開始早々の3分に町田が先制する。下田北斗のサイドチェンジのパスを右で受けたバスケス・バイロンが下げて鈴木準弥がクロス、これが相手に当たって跳ね上がった落下点に走り込んだのが、平河悠だ。左足でダイレクトで合わせると左ポストに当たって、そのまま転がり込んだ。
ツエーゲン金沢は前節で残念ながらJ3降格が決まってしまったが、ここから意地を見せる。左サイドハーフの加藤潤也のテクニック、2トップの林誠道のキープ力、杉浦恭平の裏抜けなど、特徴を生かす戦いで攻勢に出た。しかし、ゴールは遠いままだった。
後半に入ると町田が押し戻すが、金沢もカウンターで押し返す展開が続いた。後半も20分を過ぎると足が重くなってオープンな展開になり、金沢が2トップを入れ替え、町田も大黒柱のミッチェル・デュークを投入するなど、ともに交代選手を使いながらもう1点を狙うが、決定的なチャンスはなかなか生まれなかった。
このまま1-0で逃げ切る形になった町田が、勝利でJ2優勝とJ1昇格を祝って、ホーム最終戦を締めくくった。
「最高の景色です! 目に、心に焼き付けたいです」と叫んだのは、中島裕希。2016年からこのチームを引っ張って、感無量。その言葉と笑顔が、これまでの長い積み重ねの末に歴史を変えることができた充実の1年を物語っているだろう。