右足シュートのパワーアップは大学時代
――U-12からU-18までのアカデミー時代を過ごした柏レイソルで1年間プレーしたのち、今季は徳島に期限付き移籍することを決めた理由は?
森 1年目に多くの試合に絡めず、それほど結果も残せなくて(J1リーグ15試合出場・4得点)、力不足だと感じました。ここに来たのは、もう一回りも二回りも成長したいという思いからです。徳島はまだまだ上位を目指しているので、もっと多くのゴールを決めて勝利に導けるようにしたいです。
――プレー面で具体的に、どんなところを成長させなければいけないと思っていますか?
森 前を向いてからのプレーは自信を持っていますし、違いを生み出すことができていたと思います。でも相手を背負いながらのプレーやポストプレーは、もう一つレベルを上げる必要があると感じていました。徳島のサッカーは縦パスが入ってくる機会が多いので、そこでの駆け引きやマークを背負いながらのプレーは、少しずつ積み上げていくことができています。
――今季の徳島は開幕から11試合未勝利と苦しみ、森選手も無得点が続きました。
森 昨季の柏も夏以降に未勝利が続きましたが、今季ほど勝てない経験は初めてでした。苦しい時期でしたけど、自分たちはできるという自信はあったので、きっかけをつかめば上に行けると、自分だけでなくチーム全体が感じていたと思います。ほんの少し、かみ合うかどうかだったので、いまは階段を上っている途中という感じですね。
――4月最後のジュビロ磐田戦(4月29日:第12節・〇3-2)で今季初勝利を挙げ、チームの調子が上向きました。どんなところが変わったのでしょうか?
森 ビルドアップから安定した攻撃を展開できていることが、一つの要因だと思います。また、自分も含めて前線の選手、取るべき選手が点を取っていることが勝利につながっています。4月のザスパクサツ群馬戦(4月23日:第11節・△0-0)から布陣が3バックになり、守備も組織的になって、チーム全体が同じベクトルで戦うことができています。
――仲間との連係でゴールを決めている、というコメントもありました。苦しい時期を含めて積み重ねてきたことで、連係が良くなっていると感じますか?
森 そうですね。日を重ねれば重ねるほど、味方の特徴も分かります。パスを出すタイミングや受けるタイミングの積み重ねで、少しずつ良くなってきました。
――自信があるという右足のシュートは、子どもの頃から練習してきたのですか?
森 はい。昔からこだわって、たくさん練習してきました。自分のストロングポイントで、どのエリアからも決めることができる自信があるので、もっとゴールを積み上げていきたいです。
――前述の大宮戦での自身1点目(チームの2点目、21分)は、パワーを生かした強烈な一撃でした。子どもの頃からシュート力があったのですか?
森 いや、子どもの頃は細くて、ひょろひょろだったので、パワーがある選手ではなかったです。大きく変わったのは筑波大時代で、1年生のときに左ヒザの前十字靭帯を痛めたのを機に、リハビリ期間中に上半身を鍛えたり、体づくりを一から見直したら、シュートもパワーアップしました。そこからシュートレンジも広がっています。