FC町田ゼルビアのFWエリキが、2・3月度のJ2『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』を受賞した。『DAZN Jリーグ推進委員会』では月間表彰選手をインタビューしており、サッカーマガジンWEBはJ2の月間MVPに迫る。2・3月の6試合は5勝1分け、第2節から4月最初の第7節にかけてクラブJ2新記録の6連勝も記録するなど、スタートダッシュに成功した町田の攻撃をけん引。加入1年目、初のJ1昇格への得点源として今後も期待されるアタッカーに、好調の要因や日本での生活、自身初挑戦のJ2を戦い抜く自信などを聞いた。

J1とJ2に、さほど大きな差はない

画像: 3年ぶりのJリーグでのプレー。開幕から町田の攻撃を引っ張っている(写真◎J.LEAGUE)

3年ぶりのJリーグでのプレー。開幕から町田の攻撃を引っ張っている(写真◎J.LEAGUE)

――今季は初めてJ2リーグでプレーしています。横浜FM時代のJ1リーグと比較して、どんな違いを感じますか?

エリキ ほぼすべてのキャリアにおいて、私は1部リーグのクラブでプレーしてきましたが、J2リーグでも十分にクオリティーは高いですし、チームメイトにも高い能力を持った選手が多いと、日々の練習で感じています。プレースタイルを比較すると、J2の方が少し速くてスピード感があり、J1の方がボールを動かしながらプレーする印象ですが、J2にもJ1でプレーできる力を持った選手がいるので、さほど大きな差はありませんね。

――ただ、J1リーグが全34試合なのに対し、J2リーグは全42試合です。コンディションの維持で気をつけたいことはありますか?

エリキ アカデミー時代からプロにかけて、フィジカルコンディションの維持には特に気を遣っています。これは珍しいかもしれませんが、私はできるだけ試合間隔が短い方が、コンディションを維持しやすいんです。理想は3日に1試合のペースですね。また、気候も暑い方が自分の良さを発揮できます。このことをインタビューで話すのは初めてですよ(笑)。

 コンディションを維持するために大切なことは3つあります。1つ目は、練習も試合も集中してプレーすること。2つ目は、しっかり食事を取ること。3つ目は、十分な睡眠をとること。この3つを特に意識してきたので、ありがたいことに大きなケガはしたことがありません。相手のファウルを受けての打撲はありますが、筋肉系のケガも、ほとんどしたことがなく、継続して試合に出ることができています。

――では、試合数が多く、暑い季節にも多くの試合があるJ2リーグは、エリキ選手にとって素晴らしい環境ですね。

エリキ そのとおりで、多くの試合でプレーできるのは素晴らしいことです。ブラジルでは少なくとも2つの大会が同時に行なわれ、1シーズンに60試合以上を戦っていたので、試合数が多い方が慣れています。それでもメンタル面を充実させて、しっかりした食事と睡眠を取り、コンディションをコントロールしてきました。もちろん家族も支えてくれたおかげで、多くの試合でプレーしてきたので、今季も同じようにやっていきます。

――少しだけ、プライベートの話を。日本食は、はしを使って食べていますか?

エリキ 寿司、うどん、ラーメンが好きで、はしで食べています。かなり使い方もうまくなったと思いますよ。もちろん日本人の皆さんと同じようにはいきませんが、チームメイトと食事をしているときに「上手だよ」とほめられたこともあります(笑)。

――最後に、町田のファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。せっかくなので、日本語でも少し!

エリキ アリガトウゴザイマス! もっと多くの日本語で感謝の気持ちを伝えたいのですが、それは通訳に任せますね(笑)。皆さんのサポート、後押しに心の底から感謝しています。J2優勝・J1昇格という我々の目標を達成するまで、ともに戦いましょう!

取材・構成◎石倉利英

ERIK Nascimento de Lima◎1994年7月18日生まれ、ブラジル出身。プロデビューを果たしたゴイアスなどブラジルの複数のクラブでプレーしたのち、2019年途中に横浜F・マリノスに加入。J1リーグ12試合に出場して8得点を挙げ、優勝に大きく貢献した。2020年も横浜FMでJ1リーグ29試合出場13得点の活躍。2021年に長春亜泰(中国)に移籍し、今季から町田に加入して3年ぶりにJリーグに復帰した。スピードを生かしたドリブル突破や正確なフィニッシュに加え、献身的な守備でも好調のチームを引っ張っている。170cm、65kg


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