Jリーグ30周年目のシーズンが開幕する。J2リーグは2月18日から熱い戦いが始まる。ここでは、2023年を勝負の年と位置付けるファジアーノ岡山のOB、赤嶺真吾さんのチーム展望をお届けるする。悲願のJ1昇格へ、仕上がりはいかに?

上写真=木山監督2年目のシーズンを岡山。悲願達成なるか?(写真◎毛受亮介)

取材◎杉園昌之 写真◎毛受亮介、J.LEAGUE

研究してくる相手を上回れるか

 継続は力なり。J2のファジアーノ岡山にとっては、勝負のシーズンとなる。昨季はJ1参入プレーオフの初戦で敗れたものの、J2のリーグ戦では安定した戦いぶりを披露。木山隆之監督のもと、過去最高の3位でフィニッシュした。今季もJ1昇格の有力候補の一つ。16ゴールをマークしたチアゴ・アウベスを引き留めることに成功するなど、主力はほとんど残留している。躍進したシーズンを踏まえた上で、2016年から20年まで在籍したクラブOBの赤嶺真吾さんに23年シーズンの展望、注目すべきポイントなどを聞いた。

--昨季、岡山はリーグ戦で3位に食い込み、6年ぶりにプレーオフ進出を果たしました。赤嶺さんの在籍時と比べて、どこがパワーアップしたと思いますか。

赤嶺 目を引いたのは、クオリティーの高い外国籍選手の充実度です。選手層が厚かった。得点源となったチアゴ・アウベス(ブラジル)をはじめ、守備の要となったヨルディ・バイス(オランダ)、そしてミッチェル・デューク(オーストラリア)、ステファン・ムーク(オーストラリア)、ハン・イグォン(韓国)と、いずれも確かな実力を持った助っ人が主力になっていました。僕が在籍していた頃には、あまりなかったことです。強化費を含めて、クラブ力が付いてきたんだと思います。初めてプレーオフに進出した16年シーズンは、韓国の金珍圭だけでしたからね。

--昨季、躍進のカギとなった外国籍選手たちはFC町田ゼルビアに移籍したデューク以外は残留し、日本人選手を含め、ほとんどの主力が残りました。今季、悲願のJ1昇格に向けて、どこがポイントになると思いますか。

赤嶺 就任2年目を迎える木山隆之監督のもと、継続して強化を進めているので、現有戦力をベースにどこまで上積みできるかがカギになりそうですね。デューク、徳元雄平(→FC東京)らは抜けましたが、新たに高橋諒、高木友也、櫻川ソロモンなどが加わっています。全体的に見ると、戦力はダウンしていないはず。いかに早く新戦力をフィットさせるかどうか。昨季、3位に入ったことで、これまで以上に相手は岡山を研究し、対策も講じてきます。チームとして、昨季以上のパフォーマンスを見せないと、勝ち点を積み重ねるのは難しくなります。J1でも上位にいるクラブは、相手に研究されながらも、それを乗り越えて結果を残しています。横浜F・マリノス、川崎フロンターレもそうです。それはJ2でも同じでしょうね。

--では、J1昇格争いのライバルとなるのは?

赤嶺 J1から降格してきた清水エスパルス、ジュビロ磐田は手強いと思います。あと地力のあるベガルタ仙台、大分トリニータ、精力的に補強を進めたV・ファーレン長崎、町田もマークすべきチームかなと。繰り返しになりますが、岡山は昨季からのプラスアルファがないと厳しい戦いを強いられます。

--個人的にプラスアルファの部分で期待するところは?

赤嶺 攻撃の核となる助っ人トリオのさらなる活躍は楽しみ。昨季、チアゴ・アウベスは16ゴールを挙げましたが、当然、今季は相手のマークが厳しくなりますからムーク、ハン・イグォンの働きも重要になってきます。外国籍選手が結果を残すことで、日本人選手の触発されると思います。

--日本人選手で注目している選手はいますか。

赤嶺 昨年の夏に完全移籍で加入した27歳の輪笠祐士。3バックの前にアンカーとして配置され、守備で効いていました。決して派手ではないのですが、ボール奪取力に優れ、シンプルにパスをつなげます。彼がいることで、攻守のバランスが取れていたんですよ。チームに安定感をもたらしていたと思いますね。今季も注目したいです。

--昨季は3位ですから、今季はそれを上回る成績を期待したいですね。

赤嶺 もちろん、自動昇格を目指してもらいたいですが、J2を戦い抜くのは簡単ではありません。OBとして、応援しています。

 2月18日のJ2開幕戦は、アウェーで難敵の磐田と対戦。昨季から積み上げてきた木山体制2年目の真価がさっそく問われそうだ。

あかみね・しんご/1983年12月8日生まれ、沖縄県出身。駒澤大4年時に特別指定されていたFC東京に2006年加入。08年に12得点を記録した。10年途中に移籍した仙台では11、12年と連続で14得点を挙げるなど活躍。15年G大阪を経て、16年に岡山に期限付き移籍。翌17年に完全移籍し、20年までプレーした。21年、琉球に移籍し、同年限りで現役を引退。現在は岡山で立ち上げた『赤嶺フットボールスクール』で指導に携わりながら解説者としても活躍中

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