明治安田生命J1リーグへの昇格をかけて争う「J1参入プレーオフ」。10月30日に1回戦2試合が行われた。4位のロアッソ熊本は5位の大分トリニータのパワーに押されたが、最終的に2-2として規定により勝ち抜き、6位のモンテディオ山形は3位のファジアーノ岡山に3-0で完勝して突破した。熊本と山形が11月6日の2回戦に臨む。

上写真=2点目を決めたデラトーレ(右)とアシストした川井歩が喜ぶ。山形が岡山から3ゴールを奪った(写真◎J.LEAGUE)

大分が最後に追いついたが…

■2022年10月30日 J1参入プレーオフ1回戦(えがおS/13,818人)
熊本 2-2 大分
得点者:(熊)坂本亘基、粟飯原尚平
    (大)伊佐耕平、ペレイラ
※規定によりレギュラーシーズン上位の熊本が勝ち抜き

 19秒の衝撃! 大分トリニータがキックオフからそのまま攻めて、いきなり伊佐耕平が蹴り込んでたった19秒で先制した。開始から一気にオープンな展開での幕開けだ。

 ボールを大事にするスタイルを貫く熊本がここから主導権を握り、チャンスを作る流れになった。大分はときおりプレスをはめてショートカウンターを繰り出し、42分には野村直輝のシュートが左ポストをたたくなど、白熱した戦いになった。

 ともにゴールを奪えないまま、時計の針が進むにつれて球際の激しさがより鮮明になっていく。しかしついに87分、スコアが動いた。ロングキックから粟飯原尚平がヘッドでつなぎ、最後は坂本亘基が落ち着いて蹴り込んでついに同点に追いついた。

 下位のチームは引き分けでは勝ち抜けないだけに、大分には勝利しかない。攻めに出ていくが、熊本がその裏を巧みに突いた。90+2分、カウンターから右サイドをきれいにやぶって、最後は坂本のパスから粟飯原が左ポストにぶつけながらも決めて、ついに逆転に成功。しかし大分はあきらめず、90+8分にはこぼれ球に反応したペレイラが左足で思いきり蹴り込んで2-2として、意地を見せた。

 それでも、このまま2-2で試合終了。熊本が1回戦突破を決めた。

山形の交代策がズバリ!

■2022年10月30日 J1参入プレーオフ1回戦(Cスタ/11,854人)
岡山 0-3 山形
得点者:(山)ディサロ燦シルヴァーノ、デラトーレ、チアゴ・アウベス

 モンテディオ山形が「下剋上」を達成だ! レギュラーシーズンの最終節で逆転で6位に滑り込んだ山形が、勢いそのままに3位のファジアーノ岡山に3-0で完勝。2回戦進出を決めた。

 こちらも開始間もなくゴールが決まっている。5分に山田康太のワンタッチスルーパスで一気に抜け出したディサロ燦シルヴァーノが、GKとの1対1でシュート、一度は止められるがこぼれ球をそのまま蹴り込んで、早々にリードを奪った。

 試合前の会見で山形のピーター・クラモフスキー監督が「しっかり試合をコントロールする」と宣言していた通り、このリードを優位に生かしてボールを動かしながら主導権を握っていく。岡山はゴールへの直線的なパワーとセットプレーの強さを生かして、対抗していった。

 66分にともに交代選手を投入したが、功を奏したのは2人を入れた山形だった。ディサロ燦シルヴァーノに代わって入っていたデラトーレが75分、左サイドを突破した川井歩のクロスにヘッドで合わせて追加点を決めると、加藤大樹に代わってピッチに立ったチアゴ・アウベスが80分、CKの流れから藤田息吹が上げた右からのクロスにボレーで合わせて3点目。

 このままリードを保って無失点で終えた山形が、上位チームを3-0の完勝で倒して次のラウンドに駒を進めた。

 この結果、11月6日の2回戦では熊本と山形が激突することになった。

■J1参入プレーオフ 今後の予定
・2回戦 11月6日13時5分 熊本対山形(えがお健康スタジアム)
・決定戦 11月13日13時5分 J1 16位対J2クラブ


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