天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会は9月7日に準々決勝が行われ、ベスト4が決定した。J2からは唯一、ヴァンフォーレ甲府が勝ち抜き。10月5日の準決勝では鹿島アントラーズと対戦する。ほかにサンフレッチェ広島と京都サンガF.C.も突破して、準決勝で戦うことになった。

上写真=甲府が福岡を下してクラブ初の4強入りと快進撃は続く(写真◎JFA)

もう一つのJ2、東京Vは敗退

 ヴァンフォーレ甲府がJ2から唯一、ベスト4進出を果たした。J1のアビスパ福岡との対戦となったが、前へ進む意欲がゴールに結びついた。

 まずは16分、左からの崩しで宮崎純真がハーフスペースで引き出してすかさず中央へ、これを三平和司が右足でゴール左へと送り込む先制点が生まれた。福岡も意地を見せ、27分に追いついた。左CKの流れからクリアされかけたボールを森山公弥が左足でミドルシュート、これが見事にゴール左に飛び込んで、振り出しに戻した。

 ここからスコアは動かずに、試合は延長戦へ。その7分、ハイラインを設定していた福岡の守備ラインの裏に、自陣右から松本凪生が流し込んで鳥海芳樹を走らせた。鳥海は追いすがるドウグラス・グローリとペナルティーエリア内で接触、転倒したためPKかと思われたが、鳥海がすぐに立ち上がって左足で蹴り込み、ゴールを決めてみせた。スコアを2-1としてそのまま逃げ切り、クラブ史上初となるベスト4進出を決めた。

 もう一つのJ2クラブは東京ヴェルディ。京都サンガF.C.との試合だったが、こちらは惜しくも勝利に届かなかった。

 先制したのは、直近のJ1から大幅にメンバーを入れ替えた京都。メンデスの縦パスが相手に当たって自分の足元にこぼれてくると、パウリーニョが深々とした左足の切り返しからすかさず右足で蹴り込んで、21分にいきなり先制に成功する。1カ月前に加わったばかりでこれが日本での初ゲームとなったブラジル人アタッカーが、いきなり結果を残した。

 それは一度ではなかった。今度は53分、右サイドでカウンターからイスマイラ、宮吉拓実とつながって、最後は左から入ってきたパウリーニョがていねいに右足でゴール右へと送り込んだ。

 東京Vは90分、CKの流れからペナルティーエリア内でつないで、最後は谷口栄斗が蹴り込んで1点を返し、さらに猛攻を仕掛けたが、ここまで。京都が11年ぶりの4強入りを決めた。

 セレッソ大阪とサンフレッチェ広島のJ1上位チーム同士の対戦は、緊迫の展開になった。

 ともに攻め合いながら40分、左から為田大貴がほぼシュートと言えるパワフルなクロスをゴールに向かって送り込むと、アダム・タガートがコースを変えるヘッドで決めて、C大阪が先制した。このまま試合は進み、時間は86分。フルタイムまであともう少しというところで、広島の攻撃がついに実った。ペナルティーエリア内の左で受けた柏好文が、一歩戻りながらのカットインから右足でニアを抜き、同点に追いついた。

 そして、決着はアディショナルタイムだった。広島が右サイドでC大阪のカウンターを止めて奪いきり、そこから森島司がピンポイントでクロスを送ると、中央に走り込んできた川村拓夢がヘッドでゴール左へと送って、ついに逆転。これが決勝点となって、ベスト4進出を決めた。広島はJ1で2位、ルヴァンカップでも4強と、3冠の可能性を残す充実ぶりだ。

 同じくJ1同士のもう一つの対決は、ヴィッセル神戸対鹿島アントラーズ。序盤から鹿島がペースをつかみ、前半はゴールこそ割れなかったものの、後半に大きな揺さぶりから結果を残した。

 62分に相手のクリアを拾った広瀬陸斗が右サイドから逆サイドのゴールエリア角付近へと滞空時間の長いクロスを送ると、アルトゥール・カイキがヘッドで今度は右へ、そこで待ち構えていた鈴木優磨がヘッドでゴール右へとたたき込んで、均衡を破った。結局これが決勝点となって、鹿島が4強入り。神戸は公式戦3連敗と、苦しいときを迎えている。

■天皇杯準々決勝結果
C大阪 1-2 広島
得点:(C)アダム・タガート(広)柏好文、川村拓夢

福岡 1-2(延長)甲府
得点:(福)森山公弥(甲)三平和司、鳥海芳樹

神戸 0-1 鹿島
得点:(鹿)鈴木優磨

京都 2-1 東京V
得点:(京)パウリーニョ2(東)谷口栄斗

■準決勝
10月5日
17時半 甲府 vs 鹿島 カシマスタジアム
19時半 京都 vs 広島 サンガスタジアム

■決勝
10月16日 日産スタジアム


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