上写真=櫻川ソロモンは「あと8点はノルマ」と引き締める(写真提供◎JEFUNITED)
「ゴールに入るパワー、迫力は負けていない」
3月26日の第6節栃木SC戦以来となる今季2点目を決めても、櫻川ソロモンは喜び控えめだった。
「リードされていたこともあって、得点した瞬間は喜びよりもまずは同点に持ち込めたことと、自分が勝ち越し点を取るんだという気持ちだった」
6月18日、後半戦スタートとなる大宮アルディージャ戦は、17分に先制される展開。見木友哉のクロスをヘッドで決めて44分に追いついても、もう1点、の思いが強かった。しかし、結果は1-1のドロー。「満足していません」と自分に厳しい。
「僕はチアゴ(・デ・レオンソ)がケガをしてチャンスが回ってきた状況なので、結果を出さなければいけない」
ケガ人が続出して3-4-2-1だったフォーメーションを4-4-2に変えて臨んでいるが、櫻川には2トップで戦えることに手応えを感じている。
「フォワードである自分からすると、もう一人フォワードがいることで、前への選択肢が増えたり、もう一人をおとりに使ってスペースに走ることができるのはメリットです。クロスの入り方やコンビネーションでも連動したい」
そのパートナーは、ブワニカ啓太だった。「仲がいいので楽しくやれましたね」と笑う。
「彼はすごい柔軟性があるというか、落ちてもプレーできるし高いプレーでもできるし、競り合いも足元もあってバランスがいい」
下がってボールを受けることもできるし、最前線で体も張れるし、技術もある、と大きな信頼を置く。そこに、自分の特徴を組み合わせる作業だ。
「ボールを収める部分やゴールに入るパワー、迫力は負けていないと思うので、ブワニカもそうだしほかの周りの選手にも、もっとフォワードだと思っていただけるようにやっていきたい」
どんどんボールを送ってくれ、という意思表示だ。
尹晶煥監督は以前、「ソロにはどうして外れたのかに気づいてほしい」と期待を込めて話していたことがある。シーズン序盤はレギュラーだったが、ベンチに入れない日々も続いた。自分で言うように、大宮戦はチアゴの負傷があったことで先発となった。
「でも、メンバー外になっても前向きに充実して練習できていました」と憂いはない。実に2カ月ぶりのスターターとなった大宮戦で、ゴールという答えを出した「ソロ」。目標となる10点まであと8つを決めるために、そして念願の昇格へ向けて、後半戦を駆ける。