上写真=見木友哉の冷静沈着な追加点で、今季初の3連勝を手にした(写真◎J.LEAGUE)
「浮かすタイミングだけ意識して」
6月5日、J2第20節ベガルタ仙台戦の50分。見木友哉はGK小畑裕馬との1対1の場面を迎えていた。
カウンターからチアゴ・デ・レオンソの右足アウトサイドで放たれた左スペースへのパスに走り込む。落ち着き払い、飛び出した小畑の鼻先で左足で少しボールを浮かせるテクニカルなシュートで制して、スコアを2-0とした。
残像があった。
「パラグアイ戦で三笘薫選手が左足でループシュートを決めていたのを見て、イメージが湧きました」
日本代表の6月シリーズ4連戦の初戦は、千葉が仙台と対戦したこの試合の3日前の夜のこと。60分にペナルティーエリア左で受けた三笘が、飛び出してきたGKをよく見て、左足で浮き球のシュートを送り込んでいる。
主に左シャドーを受け持つ今季は、その攻撃力を存分に生かすことが求められる。イメージを蓄えるためにイングランドのプレミアリーグの試合をよく見ているといい、マンチェスター・シティ、チェルシーがお気に入りだ。
「サッカーの試合をよく見る中で、自然にイメージが湧いてくるから」
日々の小さな習慣が、大きなゴールに結びついた。
あの場面は、ブワニカ啓太が先制したわずか2分後。決めれば試合をコントロールできる。外せば相手に流れが傾きかねない。難しいシチュエーションだ。しかし、動じないのがこの男。
「まったくプレッシャーはなかったですね。ぱっと左足で浮かすイメージが沸いてきて、キーパーが詰めてきたので浮かすタイミングだけ意識していました」
すべてがイメージ通りだったと胸を張る。
前半のうちに鈴木大輔が負傷交代、3-4-2-1から4-4-2へシフトした。見木はポジションを左サイドハーフに移して守備の立ち位置に気を配り、後半開始直後に2点を取ると仙台が押し込んできた。目まぐるしく変わる試合展開だったが、それを2-0で勝ち切ったことは大きい。これで今季初の3連勝だ。
第21節はヴァンフォーレ甲府戦。勝てば、2017年の第36節から第42節までの7連勝以来となる4連勝だ。シーズン折り返しの重要なゲームで、現在7位につけ、8勝5分け7敗だから、負ければ五分になり、勝てば貯金ができるという分岐点になりそう。
「次に勝てば順位がまた上がって、プレーオフ圏内に入れます。シーズンの前半は個人としてもチームとしても苦しんだ中で、プレーオフ圏内にいることができるなら悪くはないと思います。そういう意味でも勝ちたいし、勝って4連勝で後半戦に入ることができれば、チームとしてもさらに上を目指す雰囲気になると思います」
見木が3試合連続ゴールを決めて、アウェーで気持ちよく勝利といきたい。