上写真=熊谷アンドリューが中盤の守備で仙台を制した(写真◎J.LEAGUE)
「2度追い」で守備に手応え
「まだまだですね」
攻撃でのパスの出来について聞かれた熊谷アンドリューは、間髪入れずにそう答えた。
第20節のベガルタ仙台戦では見事な2-0の勝利の一員となり、今季初の3連勝。守備では大きな手応えを感じたという。前半で3バックの一角である鈴木大輔が負傷交代。FWブワニカ啓太が代わって入って、4-4-2にシフトした。ボランチの熊谷にとっては、対応は困難ではなかった。
「仙台戦に限って言えば、相手も4バックだったのでミラーゲームになってはまりやすかったですね。ただ、相手が3バックのときにどこまではまるかは未知ですけど」
仙台は4-4-2できれいな3ラインを作るチーム。こちらも同じ立ち位置にしたことで1対1を作りやすく、守備であいまいさが減っていった。誰が誰を見ればいいのかがはっきりするからだ。
実際に4バックに変えてから押し込む場面が増えると、後半開始早々にブワニカと見木友哉が連続ゴール。ここからは追いつこうとする仙台が攻撃によりパワーをかけてきて、守備に回る時間が多くなった。そこに立ちはだかったのが、熊谷である。
「複数得点でリードしたので、押し込まれるのは想定内でした」
中盤で左右に大きく動いて「ブワが入ったことで制限してくれて守りやすかった」と、前線からのプレスからこぼれてくるボールに対して的確に、厳しくカバーに回った。これが効いた。
「そこは自分の特徴でもありますし、一人が2度追いすることで相手も嫌だと思うので、意識していました」
だからこそ、大事なのは奪ったあとの攻めのパス。その精度にフォーカスしていく。
「守備の部分ではある程度やれたけれど、試合を落ち着かせるところや決定的なパスはなかなか出せなかったので出せるようにしたい」
「出しづらかったのは感じていて、自分が求めるタイミングと受け手が求めるタイミングにズレもあった。練習や試合をこなして合わせていきたい」
シーズンは次のヴァンフォーレ甲府戦で折り返し。残り半分で「まだまだ」なパスを磨いて、勝利に導く一本を増やしていく。