上写真=風間宏矢は2試合続けて先発し、ともにゴールに絡む好調ぶりだ(写真提供◎ JEFUNITED)
「出たときに何をするか」
ジェフユナイテッド千葉の現状について、自らの現在地について、風間宏矢は歯切れがいい。
「スタートだろうが途中からだろうが、意識はしていないんです。自分が出たときに何をするか、であって、特に何も考えていませんでした」
今季、FC琉球から移籍してきて、開幕戦に先発したものの、途中交代やベンチ外も続いた。だが、第19節の水戸ホーリーホック戦で実に11試合ぶりの先発を果たすと、2-1の勝利に貢献した。
特に、鮮やかなパスワークからブワニカ啓太が左ボレーで豪快にたたき込んだ同点ゴールの場面では、風間が左でパス交換に絡んで相手を引きつけて、起点になっている。続く天皇杯2回戦ツエーゲン金沢戦では、右からのクロスで櫻川ソロモンの先制ゴールを導いた。
「ソロ(櫻川)が動き出したから合わせた感じだったんですけど、動き出しがあるからこそ、パスを出す機会があります。だから自分も前の選手に要求してもいいと思う。別の崩し方もすればいいですけど、一ついい形が作れました」
いいタイミングで動いてくれれば、いいパスを届けることができる、という自信である。「出たときに何をするか」の強い意志がピッチに見事に描かれた。
その思いをぶつける次の相手は、首位のベガルタ仙台だ。勝利の道しるべは二つある。
「どんな試合でも押し込まれる時間は来るので、そこを耐えられるチームが強い。そこでもう少し楽にするには、相手陣内にボールを運んだときに自分たちの時間を多く作れるかですね。そこで攻撃をやり直す部分とシュートで終わる部分の共通理解ができれば、いい展開になります」
まずは相手陣内に入ってから、慌てずにしっかり時間を作って行きつ戻りつ相手の穴を探し、シュートに行くときには迷いなく、というスタイルだ。もう一つが守勢に回ったときの心持ち。
「相手の時間というのはサッカーでは必ず来るので、選手のマインド、つまり、やられているではなくてやらせている、という感覚にするだけで違います」
自分たちの時間。やらせているというマインド。この二つを携えて、首位たたきに打って出る。