5月15日の「Jリーグの日」の明治安田生命J2リーグ第16節で、FC町田ゼルビアが首位のアルビレックス新潟を迎えた。新潟が新型コロナウイルスの陽性者が出てメンバーの入れ替えを余儀なくされる中、お互いに持ち味を出し切った充実の試合になった。勝った町田も負けた新潟も9試合ぶりとなった。

上写真=町田は後半開始早々の49分に鄭大世が決めて2-0に(写真◎J.LEAGUE)

■2022年5月15日 J2リーグ第16節(Gスタ/6,287人)
町田 2-1 新潟
得点者:(町)山口一真、鄭大世
    (新)鈴木孝司

画像: ■2022年5月15日 J2リーグ第16節(Gスタ/6,287人) 町田 2-1 新潟 得点者:(町)山口一真、鄭大世 (新)鈴木孝司

「負けるには原因がある」と松橋監督

 町田の鋭く素早いプレスを、新潟がコンビネーションと技術でかいくぐる。ともにキックオフ直後から自分たちの持ち味を強気にぶつけ合う見応えたっぷりの展開は、驚きのゴールで動き出す。

 29分、30メートルほどの距離からのFKを、山口一真がブレ球でそのままゴール右に突き刺すスーパーゴール。町田が見事に先制した。

 新潟にとっては、その前の18分の絶好機で仕留められなかったことが響いたかもしれない。GKからつないで一気に左に展開、抜け出した堀米悠斗のセンタリングに中央に走り込んだ星雄次がフリーで放った左足シュートはしかし、GKポープ・ウィリアムが右手一本で止めてみせた。町田はきれいにブロックを作って堅陣を築き、先制後もプレスの威力は衰えず、リードしたこともあってじっくり待ち構える守備と組み合わせて新潟の攻撃を沈静化した。

 試合の流れを決定づけたのが、後半開始早々の49分に決まった町田の追加点だ。左から太田修介が勢いよくカットインして強烈にシュート、GK小島亨介が弾いたものの、詰めていた鄭大世が古巣のゴールに押し込んで2-0とした。

 これで、堅い守備がますます堅くなり、新潟がどう崩していくかという展開が続いた。イッペイ・シノヅカが強引に右足を振った58分、意外性のあるバックヘッドで谷口海斗が狙った65分、こぼれ球を拾った堀米悠斗が左に進んで左足シュートを放った86分と、ゴールに迫ったものの、ビッグチャンスの手前、といったところ。

 75分には3選手を同時に交代させてさらに押し込み、90+4分にはPKを獲得、鈴木孝司が決めてこちらも古巣からゴールを奪った。さらに真っ直ぐにゴールに迫ったが、あと1点及ばなかった。

 町田は実に9試合ぶりの勝利。「この8試合も内容が悪かったわけではなく、結果に結びつかなかっただけだと話していて、みんな最後の最後までチームのためにプレーしてくれた」とランコ・ポポヴィッチ監督は久々の白星を実感。「新潟さんは力のあるチームだとわかっていたが、今日は思ったよりも力を発揮させなかったと思う」と満足の表情だった。

 新潟は新型コロナウイルス感性症の陽性者が出て、メンバーの入れ替えを余儀なくされた。それでも松橋力蔵監督は「1試合を通して、攻撃の姿勢はしっかり見せてくれた」と最後に1点を返した意欲を買った。首位に立ったのは1節だけで3位に後退したが、「負けるには原因があるので、しっかり向き合って共有したい」とこれまでどおり、次の試合に向けて反省と修正に臨む。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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