上写真=鈴木大輔は岡山戦の無失点を自信に変えていく(写真◎JEFUNITED)
「やりきってくる」相手に対抗
プレーオフ圏内の6位とは、わずかに勝ち点3差。17位と下位に沈んでいるように見えるジェフユナイテッド千葉だが、上位への距離は近い。
前節で4位のファジアーノ岡山から1-0で勝ちを奪い取ったことが大きい。90+4分に高橋壱晟が決勝ゴールを決める劇的な勝利。鈴木大輔はメンタルの成長だと振り返る。
「去年より圧倒的にそういう(終盤にゴールが決まる)試合が多いですね。負けの試合を引き分けにしたり、引き分けを勝ちに持っていける回数が増えて、チームのメンタリティーが上がっていると思います」
岡山はミッチェル・デュークという絶対エースを最前線に擁していて、3センターバックの左を担当する鈴木もやりあった。結果は、無失点。3試合ぶりの勝利を手にした。
「ボールがこぼれたところもそうですし、相手にビッグチャンスを与えなかったことが大きいと思っています。岡山はセットプレーに特徴があって、そこで流れを与えないようにしなければならなかったですけど、自信を持ってセットプレーで守れたのが良かった」
相手の強みを封じた自分たちへの誇りである。
鈴木はそこに「秋田もそうですけど」と付け加える。次の相手、ブラウブリッツ秋田は「強度の高い守備とカウンター、ロングボールの競り合いとセカンドボールを拾うところでバトルになるので、基本的なところをしっかりやってくる印象です。自分たちがそこをおろそかにしないように」と警戒する。
「一人ひとりがやりきる意識が強い相手なので、自分たちはどのポジションに入った選手でも、目の前の選手がやりきってくると思って対応することが大事になります」
中途半端なことはしてこない。だからこそ、同じレベルで対抗する必要がある。
「バトルのところが勝負の分かれ目になると思います。もちろんどの試合でもそうですけれど、特に秋田戦では全員でそこを意識してやりたい」
もちろん、守ったあとには攻め抜く。守備の人間だからこそ、相手が嫌がる攻め方をわかっている。
「守る方としては、後ろ向きにさせられるのが嫌なことなんです。裏に入り込む動きがかぶらないように、それぞれがゴールに向かうことでいい距離感を保つようになってくると思います」
岡山戦で決めた高橋壱晟のゴールが、まさにそれだった。高橋自らがペナルティーエリアの福満隆貴に縦パスを差し込み、福満を外から追い越してきた高木俊幸に短く出した時点で、岡山の守備陣はそろって「後ろ向き」に追いかけることになった。高木がマイナスに送ると、高橋が右足できっちり送り込む歓喜の決勝ゴール。
同じことを秋田戦でも貫いて、ホーム連勝を手にしてみせる。