上写真＝新井一耀、吠える！ ラストプレーでヘディングシュートを決めて、千葉が劇的に同点に（写真◎J.LEAGUE）
■2022年4月10日 J2リーグ第9節（フクアリ/6,369人）
千葉 1-1 横浜FC
得点者：（千）新井一耀
（横）小川航基
四方田監督は「妥当な結果なのかな」
ラストワンプレーでスタジアムが沸いた。1点のビハインドを負ったジェフユナイテッド千葉が押しに押して、最後の最後で同点に追いつく劇的な幕切れになった。
90＋5分、左サイドで受けた末吉塁が戻りながら右足で逆サイドまで飛ばした。チャン・ミンギュがヘッドで中央へ。舞い上がったボールに新井一耀が体を投げ出して頭に当てると、ゴール右に吸い込まれていった。
「みんなでゴールを目指して生まれた1点です。諦めない気持ちが最後に点につながった」
新井は劇的な一発をそう表現したが、90分のほとんどで主導権を握った千葉にとっては、尹晶煥監督の言うように「もったいない試合だった」のは確かだ。
先制したのは首位の横浜FC。43分、左サイドで作って長谷川竜也が低い位置から中央へ、そこへエースが現れる。小川航基がヘッドで軽々と押し込む4試合連続ゴール。
3連勝中の横浜FCはしかし、前半は苦しんだ。ほとんど千葉にボールを支配され、自陣で我慢する展開。30分過ぎからは見木友哉に連続で強烈なシュートを見舞われ、田口泰士のミドルシュートも許し、40分には見木の折り返しから高木俊幸に至近距離から狙われる大ピンチ、これは手塚康平がなんとかブロックして難を逃れた。
そのすぐあと、ピンチのあとにチャンスあり、を地で行くゴールだっただけに、精神的にも千葉を追い込むビッグゴールになった。
千葉からすれば、ほとんどボールを支配していたし、テンポよく相手陣内に入っていけたし、中盤のバトルでもほとんど勝って、チャンスを作っていた。上記の40分のシーンを始め、後半開始直後にも福満隆貴が思い切りよく狙い、田口泰士から素早く左右にボールが走っていって押せ押せムード、さらに交代選手を送り込んで攻撃のパワーをどんどんつぎ込んだ。
どれだけ迫っても、ゴールを割ることはできなかった。それでもようやく最後の最後に決まって、尹晶煥監督は「内容は良かったので、あきらめないで多々あったのが良かった」と安堵の笑顔。「前から守備にいく、ダメだったら降りて形を作ってもう1回いくことがうまくできた」とプラン通りの展開には持ち込めた。しかし「引き分けではなく、勝ち点3を持ってくる試合をしなければならない」と、喜んでばかりはいられないと釘を差した。
勝ち点3を寸前で逃しはしたものの、「負けない横浜FC」は健在だった。7勝2分けで首位はキープしている。四方田修平監督は「妥当な結果なのかなと思っています」と冷静だった。「やりたいことをやれなかった」というのがその理由だが、「追加点が取れなかったところを含めてもう少し進歩していきたい」と先制後の戦い方に伸びしろを残した。「コンセプトは攻撃的なところに置いているので、攻撃の回数が少なく時間も短いのが問題。次に修正したい」と攻撃の再構築を誓う。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
