上写真＝ヒーローになった後藤雅明。迷いなくPKを止めるビッグセーブで勝利に導いた（写真◎J.LEAGUE）
■2021年10月3日 明治安田生命J2リーグ第32節（＠石川西部/観衆3,955人）
金沢 1-0 新潟
得点者：（金）丹羽詩温
「みんなの頑張りで勝てて良かった」
まさに窮地を救ったPKストップだ。
アルビレックス新潟を迎えて戦ったJ2第32節。8分に丹羽詩温が先制したあとは、防戦一方だった。GK後藤雅明にとっては「押し込まれる展開はわかっていた」ものの、次々に襲ってくるピンチに対応して大忙しだった。
「中に入ってくる動きだったり、幅を使ってのクロスを頭に入れながら、ディフェンスラインの距離を注意しながら防いでいました」
冷静にゴールを守っていたものの、最大のピンチがやってくる。77分、中央に縦パスを突き立てられてから左に展開され、三戸舜介からのクロスがそのままゴールに向かってきた。後藤が反応してなんとかかき出すものの、こぼれ球に突っ込んできた田上大地と力安祥伍がもつれてPKが宣告された。
キッカーは谷口海斗。だが、後藤にはよりどころがあった。「頭に入れていました」と明かしたのは、データの存在。右足で左方向に蹴ってくるという癖がある。
「データはあって、そこで決断して止められたのは良かったと思います」
迷いなく左に飛んだところに、ボールのほうが伸ばした両手に向かってきてくれたようだった。しっかり弾いて同点にされるピンチを防いだ。
2試合前の松本山雅FC戦は1-0から、前節の水戸ホーリーホック戦では1-1からいずれもアディショナルタイムにゴールを許し、勝ち点を逃していた。だから、またもや同点とされそうな嫌な空気を断ち切ったという意味でも、大きなセーブになった。
「本当に長い間、勝てていなかった中で、選手一人ひとりがハードワークした結果が勝ち点3に結びついたと思います。みんなの頑張りで勝てて良かったです」
一つひとつの言葉は短いけれど、その分、喜びをたっぷり込めた。「この1勝で大きく変わると思います」と14試合ぶりの勝利の大きさを実感した。
写真◎J.LEAGUE
