2021年9月11日、明治安田生命J2リーグ第29節が開催された。フクダ電子スタジアムではジェフユナイテッド千葉対ジュビロ磐田の一戦が行なわれ、前半に千葉がPKで先制。しかし後半、磐田がJ2得点王ルキアン2ゴールを含む3得点で逆転に成功。首位チームの貫禄を見せつけた。

上写真=同点ゴールの小川大貴とルキアンがハイタッチ。ルキアンの2ゴールもあり、磐田が千葉に逆転勝利を飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月11日 明治安田生命J2リーグ第29節(@フクアリ/観衆3,841人)
千葉 1-3 磐田
得点:(千)見木友哉 (磐)小川大貴、ルキアン2

・千葉メンバー:GK新井章太、DF新井一耀、岡野洵、鈴木大輔、MF福満隆貴(78分:安田理大)、熊谷アンドリュー、田口泰士、末吉塁、矢田旭(78分:サウダーニャ)、見木友哉、FW櫻川ソロモン

・磐田メンバー:GK三浦龍輝、DF山本義道、大井健太郎、伊藤槙人、MF鈴木雄斗(80分:高野遼)、山本康裕、遠藤保仁(88分:今野泰幸)、小川大貴、FW大津祐樹(58分:金子翔太)、大森晃太郎(88分:小川航基)、ルキアン

目の前の1試合1試合に集中する(鈴木監督)

 チャン・ミンギュが累積による出場停止で3バックの中央に岡野が入った千葉だが、圧倒的な攻撃力を誇る磐田相手に、前半はタイトな守備を披露した。遠藤を経由するボールの終着点となるFWルキアンを自由にさせず、とくに ボックス内で集中した守備を披露。ボールを握られる時間は長くなったものの、時間の経過とともに素早いブロック形成で進入経路を塞ぎ、ボールを奪ってから『前進』を意識したつなぎも見せた。

 その姿勢が実ったのが、前半終了間際のことだ。遠藤が右から入れたクロスを岡野が跳ね返すと、クリアを拾った櫻川が左サイドへ展開。収めた矢田はドリブルしつつ、末吉が追い越した瞬間にパス。末吉がそのまま独走して左からボックスに進入。追走する鈴木雄に倒されてPKを獲得した。

 キッカーは早々にボールを抱えた見木。右足で豪快に振り抜き、ゴール左上に蹴り込んだ。千葉が先制。前半アディショナルタイムの得点で、千葉がリードを奪った(45+1分)。

 後半もスタートから攻勢に出たのは千葉だった。前向きな守備でボールを奪い、磐田ゴールに迫る。ところが、である。良いペースで後半の立ち上がり過ごしながら追加点を奪えなかったのが痛かった。首位チームが一振りでゲームを振り出しに戻す。大井のロングボールに対して、千葉のCB鈴木大のクリアが小さくなり、走り込んでいた小川大に拾われて、そのままゴールに蹴り込まれてしまった。千葉の鈴木大のミスだが、小川大がプレーを止めずに走り込んだからこそ生まれゴールでもあった(65分)。

 その後、ややゲームは落ち着くが、選手交代を機にゲームが動き出す。千葉はサウダーニャがドリブルワークで敵陣に進入。一方の磐田は高野の投入が効いた。勝負の1点が生まれたのは84分だった。つかみ取ったのは、磐田だ。ゴールキックで敵陣に蹴り込むと、千葉のクリアをルキアンが拾って、大森に展開。さらに走り込む高野にボールが渡ると、ボックス内左からの折り返しをゴール正面に走り込んだJ2得点王のルキアンがきっちりとらえ、ネットを揺らした。

 互いの役割を理解し、正確なプレーの連続で追加点を挙げた磐田が、アディショナルタイムにも、ロングボールに抜け出したルキアンがゴールをスコアし、3-1で勝利。敵地で前半は苦しみながらも終盤に地力を示して勝ち点3をつかみ取り、首位をキープした。対する千葉も集中した守備を見せていたが、ミスがらみで3失点。互角に渡り合えていた時間も長かっただけに、悔しい敗戦となった。

 勝ち点を61に伸ばした磐田の鈴木政一監督は「先制されても落ち着いてプレーしくれた」と、冷静にプレーして逆転勝利を飾った選手たちを称え、「(勝ち点の)目標は掲げていません。一戦一戦、勝ち点3を取りにいきます」と、J1昇格やJ2優勝を意識するのではなく、目の前の試合に集中していくと強調。この日、2位京都も琉球に勝ち、勝ち点1差のままとはいえ、3位新潟とは11ポイント差に広がった。すなわち昇格に向けて大きく前進することになったが、今後も平常心で戦い続けると指揮官は語った。

取材◎佐藤景


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