上写真=藤原奏哉がJ100試合出場達成! 古巣との対決が節目の一戦になったが、ドローを悔やんだ(写真◎J.LEAGUE)
■2021年9月4日 明治安田生命J2リーグ第28節(@デンカS/観衆7,617人)
新潟 0-0 北九州
「昇格争いにはまだ残れている」
今季、ギラヴァンツ北九州からアルビレックス新潟に移籍してきた藤原奏哉。開幕からすべての試合に先発していて、出場時間はチームトップの2501分。28試合を戦ってピッチの中にいなかったのはたったの19分だ。右サイドバックとして絶対に欠かせない選手である。
J2第28節ではJリーグ100試合出場を達成した。阪南大から北九州でプロになり、2018年に16試合、19年に27試合と2年をJ3で戦って、20年には昇格したJ2で29試合に出場した。そして21年に新潟に移って28試合。記念の試合が古巣の北九州が相手というめぐり合わせで、藤原も「運命的というか、そういうものはすごく感じました」と特別な思いでピッチに飛び出していった。
第26節のSC相模原戦では星雄次とのコンビネーションが冴えて、右サイドを何度も崩してゴールを生み出した。しかし、第27節の水戸ホーリーホック戦ではロングパス主体の左からの攻撃が多くなってなかなか右から攻められず、0-4の惨敗。だから、この北九州戦は節目の試合という以上に、チームにとって重要なゲームだった。
右サイドはロメロ・フランクがサイドハーフに入り、高い位置でポストプレーから時間を作ったから藤原も前に前にと出ていくことができた。そこに高木善朗も関わってきて、リズミカルに右を攻略していった。北九州の小林伸二監督も「うちの左が狙われていたので、4枚プラス1で左寄りになって守るようにした」と選手に指示したほどだ。
しかし、終わってみれば0-0。アルベルト監督も「あらゆる方法で攻撃を試みました。中央突破、サイド攻撃、セットプレーも含めてゴールを目指しました。しかし、今シーズン抱え続けている決定力不足で決められませんでした」と嘆く。
せっかくの古巣との100試合に引き分け、藤原も「勝ちきれなかったことだけが悔いが残ります」と目を伏せた。
「まずは点が取れずに勝ち点3を取れなかったという悔しい思いがあります」
「前半からボールを持って押し込む時間は長かったですけど、最後のところでシュートが枠にいかなかったりラストパスの精度が悪かったりで、非常にもったいなかった。攻撃に関しては両サイドから攻められていたので、押し込めるところまでは良かったと思います」
水戸戦では左偏重の攻撃がはまらずに大敗したから、そこからのリカバーには成功したし、ボールをどんどん回して前進していく前半戦の好調なリズムは取り戻した。「攻撃が良かったので高い位置で失っても奪えたり、相手の攻撃を単発にすることができました。守備に関しては後ろ向きではなく前向きにできていたので、前節より良かったと思います」と攻守の連動にも確かな手応えがある。
しかし、「前節は1点も取れず4失点もして、その次の試合だったのでかなり集中して入りました。でも、前節の負けから引きずった部分がもしかしたらあるかもしれない」と精神的にも難しいゲームだったことを明かしている。
残りはもう14試合。
「昇格争いにはまだ残れていると思うので、シーズンの残り3分の1をしっかり昇格という目標に向けてチーム全体でできればと思います」
「114試合目」までに歓喜の瞬間を迎えてみせる。
写真◎J.LEAGUE