上写真=長崎戦に勝ってチャン・ミンギュも充実の表情。3バックの中央でクリーンシートに貢献した(写真◎J.LEAGUE)
「ボランチは選手層がとても厚いので」
完璧に近いゲームをしてくれた、と尹晶煥監督も高く評価したのが、8月最後の試合となった28日のJ2第27節V・ファーレン長崎戦。13分に左CKから櫻川ソロモンがヘッドで決めて先制、長崎の反撃をタフにはじき返しながらカウンターを仕込み、アディショナルタイム7分に船山貴之が仕留める2-0の勝利だ。
8月の4試合はモンテディオ山形、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府、長崎と上位陣との連戦。山形にこそ1-3で敗れたが、0-0、1-1、そして2-0と五分の星で乗り切った。何より、守備の安定は大きな要素だ。
新井一耀、チャン・ミンギュ、鈴木大輔の3バックが安泰で、福満隆貴、末吉塁の両ウイングバックもサイドを閉じる。田口泰士と熊谷アンドリューの中盤は激しさと賢さを備え、1トップの櫻川の前線からの追い込みと、シャドーの矢田旭、見木友哉の連動が効いている。千葉がようやくつかんだ「型」だ。
「このシステムをチームとして機能させるように考えながらやっています」と手応えを話すのが、3バックの中央で守備をコントロールするチャン・ミンギュ。
「攻撃でいえばビルドアップのところと、守備ではラインコントロール、人に強くいくというところが良くなってかみ合ってきていると思います」
特別なことはなく、ベーシックを研ぎ澄ますことが落ち着きを生んだ。だから自身も、全体を統率しなければと肩に力を入れるのではなく、余裕を持ってプレーを選んでいるという。
「周りにいい選手がたくさんいるので、コントロールするというよりはカバーリングが大事ですね。もちろん細かいラインコントロールはしますが、周りの選手の質が高くてチームとしてしっかりできているので、うまくいっています」
特徴でもある縦パスへの強烈なチェックも相変わらず。相手の攻撃のスイッチをつぶし続けている。「手応えはいいですね。練習からしっかりとイメージを持ってプレーできていて、それがいいのだと思います」と実感し、トレーニングと試合のサイクルがうまく回っていることを明かした。
攻撃でも第26節の甲府戦で今季初ゴールをマークした。船山貴之の左CKに高々と飛んで豪快に押し込むヘディングシュート。強敵相手にアディショナルタイムに決めた、価値ある同点ゴールだった。
「(セットプレーは)決まりごとがあって、自分のところに入っていくことへの共通認識があります。そういうところもうまくいっていますね」
攻守にかみ合っている。でもだからこそ、見えてくるものは多い。「最後まで突き詰めると足りないことがあるので、攻守において突き詰めないといけない」と好調だからこそ引き締めている。
次はSC相模原との対戦。残留をかけた相手の必死さを、受けることなく押し切る必要がある。中盤を取り仕切る田口が出場停止なのも気がかりだ。でも、チャン・ミンギュは涼しい顔。
「ボランチは選手層がとても厚いので、いい選手が揃っています。問題なくゲームができると思っていますよ」