2021年8月28日、明治安田生命J2リーグ第27節が開催された。フクダ電子スタジアムではジェフユナイテッド千葉対V・ファーレン長崎の一戦が行なわれ、前半に櫻川ソロモンが先制した千葉が、後半アディショナルタイムにも船山貴之が追加点を挙げ、2-0で勝利を飾った。

上写真=先制ゴールを決めた千葉の櫻川ソロモン(写真◎J.LEAGUE)

■2021年8月28日 明治安田生命J2リーグ第27節(@フクアリ/観衆3,588人)
千葉 2-0 長崎
得点:(千)櫻川ソロモン、船山貴之

・千葉メンバー:GK新井章太、DF新井一耀(78分:岡野洵)、チャン・ミンギュ、鈴木大輔、MF福満隆貴(69分:安田理大)、熊谷アンドリュー(分:髙橋壱晟)、田口泰士、末吉塁、矢田旭(66分:船山貴之)、見木友哉、FW櫻川ソロモン(66分:サウダーニャ)

・長崎メンバー:GK富澤雅也。DF毎熊晟矢、新里亮、江川湧清、加藤聖(78分:山崎亮平)、MF米田隼也、カイオ・セザール、加藤大(56分:鍬先祐弥)、澤田崇(56分:植中朝日)、FWエジガル・ジュニオ(56分:都倉賢)、名倉巧

やりたいことがすべてできた

 千葉はボールの獲りどころがはっきりしていた。長崎の4バックに対して、1トップ+2シャドーでは前線のプレスはまらない。そこで前線のトライアングルは相手2CBににらみをきかせながら、ボランチへのパス、サイドバックへの展開をケア。そしてボールが前方に動いた次の瞬間にしっかりプレッシャーかけた。

 サイドハーフ、ボランチにボールが入れば、たちまち千葉の選手が奪いにいく。ボール奪取に成功すれば、左右に相手を揺さぶって、機を見て縦パスを差し込む。ボールをスムーズに循環させ、相手ゴールに迫っていった。

 先制したのも、千葉だった。13分。櫻川がポストプレーで中央から外にボールを振って、右ウイングバックの福満が中央に折り返す。クロスは相手GK富澤に弾かれたが、左CKを獲得。矢田の蹴ったボールを櫻川が打点の高いヘッドで叩き込み、ネットを揺らした。戦前、田口が前節甲府戦の反省を踏まえて「先制点が勝負を左右する」と話していたが、欲しかった先制点を手に入れた。

 後半も千葉は集中力を維持し、ソリッドな守りを展開する。長崎もメンバー交代しながら、ゲームを振り出しに戻すべく前に出たが、コンパクトに維持された千葉のブロックをなかなか突破できなかった。長崎側からすれば、1人を突破しても、すぐに次の守備者が現れる印象を受けたかもしれない。この日の千葉の選手たちは守備の局面で距離感がよく、常にプレッシャーをかけられる状態にあった。

 引き締まった守備を見せる一方で、ゴールへの意欲も示し続けていた千葉は後半のアディショナルタイムに2点目を奪う。見木のスルーパスに反応した船山がボックス内から蹴り込み、勝利を決定づけた。

「集中して、精神力をしっかりもって戦った、そのことがこういう勝利につながったと思います。守備も攻撃もやりたいことを全部できた。2-0のスコアも満足しています」

 先制し、追加点を挙げ、無失点で試合を終える。狙いをすべて実現する形で、千葉は4試合ぶりの勝利をつかみ取った。尹晶煥監督も会心の勝利とゲームを振り返った。

「完璧に近いゲームをしてくれた。ボールをしっかりつなぎながらシュートまでいったシーンは多かったし、セットプレーでゴールも生まれました。前からプレッシャーに行きにくい中で2列目の守備がうまくいった」

 課題を口にすることが多い指揮官が、称賛の言葉を並べた。それだけ「完璧に近い」内容。むろん、長崎が中2日でこの試合を迎え、準備期間の差はあっただろう。ただ、千葉にとってはチームとして大きな自信を得る大きな1勝になった。

取材◎佐藤景


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