上写真=ブラジル人FWヴィニシウスが加入。すでに来日していて、8月中旬に合流予定だ(写真提供◎FC琉球)
「この素晴らしい国、クラブでプレーできることをとてもうれしく思います」
この夏、FC琉球が補強に急いでいる。浦和レッズから育成型期限付き移籍で加わったのが、MF武田英寿。ヴァンフォーレ甲府から完全移籍でチームの一員になったのが、DF金井貢史。そして8月1日に発表されたのが、ブラジルからやって来た184センチの長身FW、ヴィニシウスの加入内定だ。
ヴィニシウスは7月31日に入国していて、Jリーグが一括管理する14日間の待機期間(Jリーグバブル)を経てチームに合流する予定になっている。「この素晴らしい国、クラブでプレーできることをとてもうれしく思います。個人・団体に関わらず良い成果を出せるようがんばります。この大きな機会を与えて下さったクラブにとても感謝していますしその期待に応えられる様に努力します。ありがとうございます!」とクラブを通して最初のあいさつ。8月9日のJ2再開には間に合わないが、後半戦の昇格レースのために期待の新戦力となりそうだ。
今季の琉球は一時は2位に入るなど上位を争いながら、次々と負傷に悩まされてきた。クラブ発表があっただけでも、これだけいる。
■GK田口潤人 5月30日のアルビレックス新潟戦で左第3中手骨骨折、復帰見込みは約10週間〜12週間
■MF池田 廉 6月13日のギラヴァンツ北九州戦で腰椎横突起骨折、復帰見込みは約10週間〜12週間
■DF田中恵太 6月26日の松本山雅FC戦で左腓腹筋肉離れ、復帰見込みは約8週間
■DF沼田圭悟 7月3日のツエーゲン金沢戦で右遠位脛腓靭帯損傷、距骨軟骨損傷、復帰見込みは約8週間
■MF上里一将 7月18日大宮アルディージャ戦で左膝内側側副靱帯損傷、復帰見込みは約4週間〜6週間
今季だけで2度の負傷に見舞われた選手もいる。
■DF上原牧人 4月9日に右大腿二頭筋肉離れのあと、7月16日のトレーニング中に顔面骨折、復帰見込みは約4週間
■DF岡﨑亮平 5月22日のモンテディオ山形戦で右大腿直筋肉離れのあと、7月12日のJエリートリーグ鹿児島ユナイテッドFC戦で左大腿二頭筋肉離れ、復帰見込みは約6週間
さらには、7月30日にトップチームの選手2名が新型コロナウイルス感染症の陽性診断を受けたことを明らかにした。濃厚接触者はいないために練習を再開しているが、非常に苦しい時期を迎えている。
それでも中断期間前の最後の試合となった7月18日の第23節大宮戦は、2-2で引き分けている。負傷者続出で選手の組み合わせにも苦慮したが、樋口靖洋監督は「妥当な結果」として、試合後に率直にこんな評価を残している。
「2度、追いつかれたゲーム運びの問題もありましたが、ケガ人が多くて今日も2人がケガで交代することになって、ピッチに立った選手たちは最後まで戦ってくれました」
「展開を考えれば、リードを2度奪って2回とも追いつかれたのは、勝ち点を逃したと率直に思いますが、ただ、チームとしてケガ人が多い中で試合に出た選手が準備して戦ったので、受け止めなければいけない結果だと思っています」
これだけ負傷者を抱えながらも勝ち点は44まで積み上げて4位につけていて、1位京都サンガF.C.と2位ジュビロ磐田とは4ポイントしか差がないのは、地力の証明だろう。新加入選手がフィットして、負傷者が続々戻ってくるまでこの状況をキープできれば、昇格レースの主役の一つとして堂々と渡り合えるはずだ。
再開初戦の北九州戦、続く水戸ホーリーホック戦は、どちらも前半戦では勝っているし、順位も下の相手だが、夏でもよく走るチーム。ここをうまく切り抜けて、続くモンテディオ山形戦に勝ちきりたい。順位は2つ下だが勝ち点差は2しかなく、しかも5月16日の第14節愛媛FC戦以降、9勝1分けと圧倒的な成績を残しているのだ。しっかりたたいて、上位進出を阻む必要がある。
樋口靖洋監督は大宮戦後に「この勝ち点1を再開後の試合に生かすために準備していきたい」と力を込めて口にした。その準備の成果を、まずは北九州とのアウェーゲームにぶつけていく。
ヴィニシウス(VINICIUS Faria Dos Santos)
■生年月日:1999年11月15日(21歳)
■出身:ブラジル
■ポジション:FW
■身長/体重:184cm/82kg
■背番号:34
■経歴:フラメンゴ SP U19 - ナシオナル SP U20 - ナシオナル SP - マリンガ PR