宮崎幾笑がビッグスワンに帰ってきた。6月13日、明治安田生命J2リーグ第18節でファジアーノ岡山がアルビレックス新潟と敵地で対戦。アカデミー出身でプロのキャリアをスタートさせた新潟のホームスタジアムに敵チームの一員として初めて乗り込んで、岡山加入後初めてのアシストで勝利をもぎ取った。

上写真=宮崎幾笑がビッグスワンに初めての凱旋。タイトな守備と巧みなアシストで勝利に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

「最後は通すだけかなと」

「すごい気持ちが入っていましたし、僕だけじゃなくて試合前からチーム一丸になっていて、みんなの勝ちたい気持ちが伝わった試合だったと思います」

 首位のアルビレックス新潟を16位のファジアーノ岡山が敵地で1-0で下す金星。その立役者の一人が宮崎幾笑だった。新潟のアカデミー出身でプロのキャリアをスタートさせたのも新潟。これが初めての凱旋試合となったから、気合いも特別だった。

 古巣を相手に大きな仕事をしたのが68分。喜山康平とのパス交換から意外性のある巧みなフリックで新潟の最終ラインの裏に送り込み、上門知樹が蹴り込んだ決勝点を演出したのだ。

「ああいう苦しい展開の中で我慢してたんですけど、ワンタッチでいいパスが来て、味方の選手も見えていたので最後は通すだけかなと。しっかり決めてくれて、先制点が取れてチームとして大きかったと思います」

 右サイドのスローインを受けて、一瞬の間ができたところを見逃さなかった。新潟の選手の足が止まって寄せてこないのをいいことに、少しドリブルで運んで内側の喜山に預けてそのまま前に走ると、鋭い縦パスが足元に返ってくる。これを右足の後ろを通すように左足でワンタッチで上門に送り込んだ。

「毎試合、意識しているんですけど、ああいう縦パスを入れていかないと相手のラインは動かないし、ワンタッチ、ワンタッチが効果的に効いてくるので毎試合狙いたいと思います」

 今季、FC東京から期限付き移籍で岡山に加わってから、初めてのアシストだった。

「ゴールも狙いつつアシストもできればチームとして勝ちにつながると思うので、意識しているところではありました。こういう形でアシストできたのは良かったと思います」

 ともに新潟のアカデミー出身で同じ背番号をつける本間至恩との「ナンバー10対決」も注目された。序盤は相手が裏をかいて本間を逆サイドに配置し、右サイドハーフの宮崎との直接対決はすれ違いになると思われたが、その後は同サイドに戻ってきて何度もマッチアップ、スタンドを沸かせた。

「うちのチームは守備から攻撃がコンセプトなので、いい守備をしないといい攻撃は生まれないと思っています。しっかり守備をした中で、いい攻撃できたのかなと」

「対本間」を含めてタイトに守って、新潟の猛攻を食い止めてみせた。

「今日のような試合が続けば勝ち点は積み上がると思うので、続けていきたいと思います」

 懐かしのスタジアムで81分までプレーして、改めて自分たちの強みに信頼を置くことができたのは大きい。


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