上写真=堀米悠斗は失点の前のスローインに対する集中力の欠如を悔やんだ(写真◎J.LEAGUE)
■2021年6月13日 明治安田生命J2リーグ第18節(@デンカS/観衆12,689人)
新潟 0-1 岡山
得点:(岡)上門知樹
「判定どうこうもあるけれど」
「実際に映像も見て、悔しさがまた募っています」
アルビレックス新潟のキャプテン、堀米悠斗は複雑な思いをぐっとかみ締める。ファジアーノ岡山を迎えたJ2第18節。68分に上門知樹に最終ラインの裏に抜け出されて、結果的に決勝点となるゴールを浴びたのだが、上門がオフサイドのポジションにいたのではないかと新潟の選手たちは猛抗議した。改めて映像を見返した上で、そう言及したのだ。
試合はほとんどが新潟のペースだったと言っていいだろう。いつものようにテンポよくボールを回して、何度も岡山ゴールに迫っていった。得点も時間の問題と思われた。
「前半はお互いにチャンスがありながら、いつものようにボールを持てていたのでそんなに慌てていなかったし、後半に点が取れれば支配しながら進められると思っていたところであの失点でした」
もちろん、前半のうちに決めておかなければいけなかった反省がある。そして、判定に疑問が残りながらも、選手としては、キャプテンとしてはやるべきことを整理する必要がある。
「ああいう場面を作ってしまったところに自分たちは目を向けなければいけないし、スローインの準備が遅くて前向きに持たれたところなので、判定どうこうもあるけれど、それ以前に自分たちでできたことはあったのではないかなと。VARはないので割り切って、自分たちにできたことがあるところに目を向けるしかない」
そう、岡山のCKをクリアしたあと、左からの相手のスローインがきっかけだったのだ。実は前節のヴァンフォーレ甲府戦でも、2-1のリードで迎えた89分にスローインの流れから手痛い同点ゴールを浴びている。2試合連続で一瞬の間を失点に結びつけられたことを猛省する。
「あの失点もそうですし、右サイドでスローインで裏を取られた場面もありました。スローインで切り替えのところで置いていかれてピンチを招くのはもったいないですし、それがゲームの流れを大きく変えることもあります。近くにいる人だけじゃなくて、もっと声をかけて戻させなきゃいけなかった」
好調の新潟と戦う上では、相手もスローインを含めたセットプレーに集中してくる。
「切り替えの早さは調子が良かったときは一つの武器になっていました。暑くなってきて疲労も蓄積してくるタイミングですけど、中断もあるのでそこまでしっかり1試合1試合出し切ることを改めて全体でやっていかないといけないと思います」
京都サンガF.C.が引き分けてジュビロ磐田が勝ったため、新潟はついに昇格圏外の3位に後退した。だが、リーグは折り返し地点にも来ていない。新潟にとっては不可解にも感じる黒星を、無得点に終わったことと合わせて今後の糧にするはずだ。