明治安田生命J2リーグ第13節で、松本山雅FCが戦ったのは無敗で首位を走るアルビレックス新潟。攻撃力が自慢の相手に松本が組み込んだ守備の工夫の一つが、「本間至恩封じ」だった。その任を担ったのは大野佑哉。90分、戦い続けて、新潟に得点を許さなかった。

上写真=大野佑哉のミッションは、新潟のドリブラー本間至恩を止めることだった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月9日 明治安田生命J2リーグ第13節(@デンカS/観衆13,101人)
新潟 0-0 松本

「まずは守備の強い山雅というのを作って」

「本間選手を抑えることが今日の僕の仕事で、自分の中では最低限の仕事はできたと思います。でも攻撃のところでもう少し、攻撃の選手ではないのでアイディアは少ないですけど、チームのプラスになることできたのではないかという反省はありますが、守備のところでは自分に合格点をあげられるようなプレーでした」

 松本山雅FCが敵地に乗り込んで首位のアルビレックス新潟に挑んだJ2第13節。強力な攻撃陣の核になっている絶好調ドリブラーの本間至恩をどう封じるか。柴田峡監督は大野佑哉に徹底マークを命じた。その結果、大野の自己採点は合格点だったというわけだ。

「ファーストタッチやセカンドタッチのところでガツンといくことは意識していました。ドリブルになっても飛び込まないで、周りもサポートしてくれたので人数をかけて抜かれないように意識して周りと声をかけ合いながらやっていました」

 前半の飲水タイム明けには本間は中央にポジションを移した。大野のマークを嫌がったのだろう。新潟のアルベルト監督は「偽9番にした」として、ゼロトップに近い形にする変化を加えてきた。後半、また大野の前に戻ってきて何度かチャンスをつくられたものの、今季すべての試合で得点を挙げてきた新潟を、ついに無失点に抑えることに成功した。

 直接的に本間を封じ込めるのが大野の役目なら、そこにボールを回させない仕掛けはチーム全体のミッションだった。

「相手のキープレーヤーが本間選手で、僕がそこについていましたが、相手の右サイドに押しやっていくというか、左にボールを来させないようにという作戦があって、前の選手が限定してやってくれました。全体として狙った守備ができたと思います」

 新潟の左サイドバックの堀米悠斗と本間のコンビネーションは成熟されているから、本間にボールが入る以前の段階から警戒は怠らなかった。

「全体的に守備は監督もパーフェクトに近いと言っていたので、これを自信にしてもっともっと良くなると思うので積み上げていきたい。まずは守備の強い山雅というのを作って、攻撃の課題に取り組みたいと思います」

 攻撃についてはバーをたたくシーンは2度あったものの、新潟を本気で脅かすまでには至らなかった。

「取ったあとのショートカウンターで相手の脅威にならなければいけないと思います。守りながらですけど、フォワードの位置を見ていったりとしっかりしていきたい」

「守備の山雅」の看板の下で、攻撃力を磨くのが次の大野と仲間たちのミッションになる。


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