上写真=江川湧清はセンターバックとして3試合に出場し、どんどん自信をつけている(写真◎J.LEAGUE)
「ゾーンディフェンスが軸になってきます」
V・ファーレン長崎に激震が走ったのが5月3日。吉田孝行監督に代わって松田浩監督が指揮を執ることが正式に発表されたのだ。
「監督が代わることにびっくりしました。プロになって監督が途中で代わるのは初めてで、こういう感じなんだという雰囲気で」
プロ3年目の江川湧清も驚きを持って受け止めた一人だ。
「監督交代は監督だけの問題ではなくて選手の問題でもあります。吉田前監督には申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、監督が代わって気持ちを切り替えてやっていかなければいけない。みんなでもう一回同じ方向を向いて、目の前の試合に勝っていこうという気持ちになっています」
松田新監督はこれまではアカデミーダイレクターとして仕事をしていたから、アカデミー出身の江川にとっては違和感は少ない。
「高校のときから見てもらっているので、そのときから伸びているところををアピールして頼りになるディフェンダーになりたいと思います」
今季はここまで4試合に出場し、そのうち3試合はセンターバックで起用されてきた。それが自信につながっている。
「いま(センターバックで)3試合に出してもらって、持ち味を出せているので手応えはあります。もともとセンターバックに自信はあって、でもそれが通用するのかしないのかは試合でやっていなくて分かりませんでした。でも、やれるとは思っていて、試合に出たらうまくやれたので自信になっています」
松田監督の守備の約束事は細かいが、率先して実行することでリーダーとして振る舞うつもりだ。
「基本はゾーンディフェンスが軸になってきます。いかにサイドではめるかで、センターバックはスライドのスピードが大事になってきます。自分が若いので先陣を切って引っ張っていければと思います」
「ディフェンスラインではしっかりスライドして、ボランチは間を通させないで中を絞って、フォワードはサイドに入ったときにいかにフタをしていくか。監督は、サイドを変えさせないためにフォワードの選手にコースを限定するように言っていて、取りに行くというよりはフタをして片方に追い込むことは口酸っぱく言っています。そしてサイドに出されたときにはめにいきます。サイドバックやボランチはボールが間に通されたときにはサンドしにいこう、プレスバックしようと言われています。細かい指導が入っていますね」
その約束事を守った上で、個人のストロングポイントを思い切り出していこうというのは、松田監督が会見で話した通り。新体制で準備する時間は短いが、再スタートの初陣は勝ちたい。相手はギラヴァンツ北九州だ。
「自分はセンターバックなので、まず失点をゼロで抑えたいですね。そこをクリアしつつ、自分たちができるサッカーをして勝利できたらいいと思っています」