上写真＝加入1年目、山口の主軸となっている佐藤謙（写真◎J.LEAGUE）
栃木戦のポイントは「セカンドボール」
明治安田生命J2リーグで第4節まで2分け2敗の未勝利だった山口は、3月27日の第5節で磐田に2-1で勝利。連勝中だった難敵をアウェーで下し、待望の今季初勝利をつかんだ。
前回のアウェーゲーム、FC琉球との第2節は開始1分と27分に失点し、後半の反撃も及ばずに1-2で敗れたが、今回は13分と20分に得点し、42分に失点したものの、リードを守り切っている。「琉球戦では良い入りができず、そのまま負けてしまった。アウェーの雰囲気の中でもしっかり準備して入ろうとして、良い立ち上がりから先制点、追加点という良い形だった」と語った佐藤謙は、「そこまでは自分たちのシナリオ通り、良いゲームができた」と振り返った。
一方で「まだまだ課題もたくさんある」と指摘し、「2点取った後に、少し後ろに下がってしまった。そこは改善点だと思うし、90分間を通して見返すと、課題の多いゲームだったと思っている」とコメント。「90分間を通してボールを握り、しっかりとゲームを作りたいという狙いでやっていますが、（磐田戦は）最初の25分間だけだったかな、というのが正直な感想。ボールを握る時間帯をどれだけ増やせるかが課題」と改善すべき点を挙げた。
横浜FCでの10年間のプレーを経て今季、山口に完全移籍。加入が決まったと連絡を受けた渡邉晋監督が「妻と娘と祝杯を上げた」と明かした、指揮官にとっての『待ち人』だ。開幕からボランチの一角でパスワークの中心になっており、欠場した第3節を除いて先発出場を続けている。
新天地の現状を「キャンプから始めて、人が良い位置に立ったところからスタートすること、そこから相手よりも先にアクションを起こすことは、少しずつですが良くなっている」とみている。「自分たち主導でゲームができるようになってきた。突き詰めなければいけない部分もありますが、良くなってきていると感じている」という状態での初勝利を、勝ち点を伸ばしていくきっかけにしたいところだ。
4月4日の第6節では、ホームで栃木SCと対戦する。「長いボールを多用してくるチームで、セカンドボールを、いかにマイボールにできるかが勝負の分かれ目かなと思っている」と語った佐藤謙は、一方で「マイボールにしたところで、しっかりボールを握れればウチのリズムになると思う」と分析。「どういう相手だろうと、しっかりセカンドボールを拾ってマイボールの時間を増やす。そこから自分たちでアクション起こすことを繰り返していければ、おのずと良いゲームができるんじゃないかと思っています」とホーム初勝利への道筋を描く。
自身が厳しくマークされることも予想されるが、「自分のところに厳しく来てくるということは、逆に他のところが空いている。そこを、ボールを受ける前にしっかり探し、リズムを与えるのが自分の特徴」ときっぱり。「止める・蹴るがしっかりできれば、相手が来ても、そう簡単にボールを取られない自信はある。自分の強みとして、いつも通りにやっていければ」と力強く語った。
