上写真=2ゴールを挙げた中山仁斗(写真◎J.LEAGUE)
■2021年3月28日 J2リーグ第5節(@Ksスタ/観衆2,127人)
水戸 3-0 松本
得点:(水)中山仁斗2、安藤瑞季
鮮やかな2点目。「全員がイメージできたゴール」
嵐が止んだケーズデンキスタジアム水戸で、青色のイレブンが光を放った。チームを最前線でけん引する闘将が、快勝劇の立役者となった。
スコアレスで迎えた58分、松崎快のクロスボールがペナルティーエリア内で相手DFのハンドを誘発し、PKを獲得。左腕にキャプテンマークを巻く中山仁斗が、キッカーに名乗りを上げた。
「蹴りたかったので、僕がボールを持って、蹴らせてもらいました。低いグラウンダーの強いボールを意識して蹴りました」
背番号9の左足から放たれたシュートは相手GKの逆を突き、水戸に待望の先制点が入った。スコアラーの中山は気合いのこもった表情を見せ、チームの士気をさらに高めた。
「PKで先制できて、その後に流れが水戸に来ました。すぐに2点目を取れたことがすごく大きかった。普段から、得点後はチーム全員で共通意識を持って、パワーを持って行こうという狙いがあったので、たぶん相手が後ろ気味なプレーになったところをうまく突けたと思っています」
中山の言葉のように、勢いを手にした水戸は77分に鮮やかな追加点を奪う。2点目を決めたのも、ナンバー9のエースだ。
「(左サイドの)瑞季(安藤)からくさびのパスが来て、ターンして(右サイドの)快(松崎)がフリーだったので、(ボールを)預けました。亘(柳澤)がオーバーラップしてきて、快もそれを使って、サイドからの素晴らしい崩しで、(最後は)僕が中で合わせました。全員がイメージできたゴールだったと思います」
中山の2ゴールで勝利を手繰り寄せた。そして、それから2分後の79分に安藤瑞季がダメ押しの3点目を奪い、勝負を決定づけた。前節の町田戦に続く3-0の勝利。「前半は2、3回ピンチがあって、流れもあまりよくなかった」と中山は反省するも、後半のゴールショーにより2連勝を飾った。
「昨年はなかなか連勝することができませんでしたが、今年は早い時期に連勝できたので、チームとしても勢いに乗っていけると思います。2試合連続で(失点を)ゼロに抑えているのはすごく良いこと。ただ、ここで油断せずに、(次戦に向けて)良いトレーニングをして、良い準備をしないと」
水戸サポーターの歓喜の拍手が包む試合後のスタジアムで、殊勲のキャプテンの視線は、すでに次戦に向いていた。
取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE