上写真＝櫛引一紀は改めて「責任感を持って絶対に自分が止める」と誓う（写真◎J.LEAGUE）
■2021年3月24日 明治安田生命J2リーグ第3節（＠NACK／観衆：2,531人）
大宮 1-2 京都
得点：（大）エルミン・ハスキッチ
（京）武富孝介、ピーター・ウタカ
※3月13日に中断した19分から再開
「勝ち点3を積み重ねていくことでいい雰囲気に」
大宮アルディージャが献上した決勝点は、PKだった。
京都サンガF.C.のエース、ピーター・ウタカに抜け出され、飛び出したGK上田智輝の手が接触してPKの判定。これをウタカ自身にど真ん中に決められた。85分のことだった。センターバックの櫛引一紀は厳しい表情で振り返る。
「後ろの選手として、中盤や前の選手がミスしたとしても僕や西村（慧祐）で止めれば失点にはならないと思います。責任感を持って絶対に自分が止めるというところで、最後にウタカに抜け出されたのは自分がついていかなければいけなかった。突き詰めたいと思います」
このまま大宮は1-2で敗れて、3連敗を喫した。
3月13日に行われたJ2第3節が雷雨の影響で前半19分で中止、24日に再開試合を戦った。前回、1点を失っていたものの、再開試合ではネルミン・ハスキッチが44分に1点を返し、さらに逆転を、と意気込んでいた。それだけに、残り5分のところでの失点は痛かった。
「1点を追いついて自分たちの作戦通りというか、練習でやっていたことは出せましたが、押される時間が多くなってしまいました。失点しないで時間を進めることができていたので、最後の失点は残念で悔しい部分ですね」
気になっているのが、最終盤での失点が続いたことだった。前節はSC相模原に88分と90＋3分に決められ、この日は85分。
「前回の試合もそうでしたが、最後の5分の失点が多くて、それを踏まえて今日も集中していたつもりですが、そこでまた失点してしまって、というところがある。練習の積み重ねで目を向けて、これを今季の最後にしなければいけないので、練習からやっていくしかない」
京都戦で言えば、ウタカの存在がボディーブローのように効いていたかもしれない。流動的にポジションを変えてはボールに触り、大宮の選手を寄せつけて密集をつくっては、空いた場所にボールを届けていく。
「攻め残りみたいな感じになって、ウタカを捕まえきれない位置にいることが多くなって、センターバックとボランチで声をかけながらやっていましたが、なかなか捕まえきれなかったという印象です」
その課題を踏まえて、次もホームにV・ファーレン長崎を迎える。昇格を狙うチームでありながら、開幕戦の1勝のみと、お互いの状況は似ている。
「もう負けられない気持ちでやらないとあっという間に下に行ってしまうので、1試合1試合戦っていきます。長崎は素晴らしい選手が揃っています。さすがに4連敗はできないですし、勝ち点3を積み重ねていくことでいい雰囲気になります」
京都戦から中2日で早くも訪れた大一番。立ち止まってはいられない。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
